奥田瑛二(65)主演映画「赤い玉、」(高橋伴明監督)初日舞台あいさつが12日、東京・テアトル新宿で行われた。高橋監督が映画学科長を務める京都造形芸術大の村上由規乃さん(21)と同大を今春卒業した土居志央梨さん(23)が登壇。2人は同作に出演しており、劇中で演じたヌードでのぬれ場を赤裸々に振り返った。

 「赤い玉、」は、高橋監督が映画を教える中で「学生がエロス表現から逃げている。こちらが現場を作って、学生を呼びたいと思った」という思いから自主製作した作品で、キャストやスタッフに同大の学生を起用している。村上さんは、奥田が演じる大学で映画撮影を教える監督が、街で見初めて後を追うようになる女子高生を演じた。撮影当時を振り返り、奥田が学生スタッフに絡みのシーンの際の、現場における“マナー”を教えたことを明かした。

 「初めて脚本を読んで、大学でこういう作品をやるのか…ぜひ、やりたいと思った。お乳を出すシーンの撮影の時、奥田さんが学生たちに『こういう時は、ちゃんとしたマナーがある。下手に立たないんだよ』と言ったのが印象的でした」

 土居さんも、ぬれ場を演じた思いを吐露した。

 「お乳が出る…大画面で肌が出るのは、ドキドキする。でも、豊かだと思うし、学生で(そういう作品を)できたのはいいなと思う。そういう所に自分がいることができ、すばらしい撮影になった」

 同じく、同大卒業の花岡翔太さん(22)は、ぬれ場を演じた後、着けた前バリを取った時の切ない思いを振り返った。

 「ぬれ場をやらせていただきました。前バリをして撮影し、撮影後、前バリを1人で処理していて…切なくて悲しくなった」

 一方の奥田は、同作では前バリなしでぬれ場を演じており、79年の映画「もっとしなやかに、もっとしたたかに」での体験を踏まえ、その理由を語った。

 「前バリをすると、そういう気持ちになる。デビュー作『もっとしなやかに、もっとしたたかに』の時、撮影が終わった夜に控室で1人で前バリを取った。当時は粘着テープで、半分以上、取れずにそのまま、はさみで切った。切なくて、涙が出た。今後、そういう仕事が来たら、着けない方が良い」

 花岡さんは、奥田の言葉を神妙な面持ちで聞いていた。