第90回キネマ旬報ベスト・テン表彰式が5日、都内で行われた。

 ミュージシャンで俳優の竹原ピストル(40)が、「永い言い訳」(西川美和監督)での演技を評価されて助演男優賞を受賞した。竹原は「こんなすてきな賞をいただけるんだったら、こんなバカみたいな芸名にしなきゃ良かった」と言い、会場を笑わせた。

 壇上では、「永い言い訳」に主演した本木雅弘(51)への感謝の言葉が口をついて出た。

 自分は、そもそも歌を歌っている人間なんですけど、本木さんが僕の歌を大変気に入って、感想を聞かせてくださり、逆に自分も質問をさせていただき、居心地のいい時間を過ごさせていただいた。撮影期間中、1度、本木さんが、どうすれば竹原ピストルの歌が売れるのかを1時間くらい熱弁してくださった。「もっと、こういう部分を見せた方がいい」「こういうテレビに出る仕事は、取ってこられないの?」と、うちのマネジャーをすごい叱って、マネジャーが平謝りした。すごいかわいがってもらった。

 助演男優賞は、本木が昨年、受賞した賞でもある。竹原は本木へのメッセージを求められると次のように言った。

 本木さんは、しばしば私にメールをくれますが、文末には必ず(返信不要)と書いてあります。その返信不要の言葉に甘えて、僕もずっとずっと返信をしていなかったら、ある日、とうとう(返信不要(でも元気かどうか知りたいです))と書いてありました。どっちなんだよと毎回思います。そのへんを、はっきりさせていただきたいです。

 竹原の軽妙なトークに、集まった取材陣も観客も、締めの言葉まで笑いっぱなしだった。【村上幸将】