カンヌ映画祭批評家週間部門に選出された日米合作「オー・ルーシー!」(平柳敦子監督、来年公開)に主演した寺島しのぶ(44)が、23日(日本時間同日)、帰国の途に就いた。

 出発前、共演の米俳優ジョシュ・ハートネット(38)とインタビューに応じた寺島は、2泊4日の強行スケジュールながらも「本当に来て良かった」と話した。長男真秀(まほろ)くん(4)が、歌舞伎座「団菊祭五月大歌舞伎」の「魚屋宗五郎」で初お目見えしているため、悩んだ参加だった。

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 -日本が気になった

 寺島しのぶ(以下寺島) 眠れなかったですね。(真秀くんの)出番時間や、幼稚園に行く時間には、目覚ましをセットして、様子を確認してました。

 -強行日程だったが

 来て良かったです。心が洗われました。映画好きな人が集まって、みんな一生懸命勉強して、早朝から一生懸命チケットを求めている。ただただうらやましいなと思いました。

 -前日の上映も盛況だった

 ジョシュ・ハートネット(以下ジョシュ)本当に? 緊張していたから、お客さんがいたかどうか分からなかった。本当は2人くらいしかいなかったんじゃないの。

 寺島 舞台あいさつの緊張はたまらなかった。でもジョシュも平柳監督もみんな緊張してた(笑い)。ちょっと安心しました。

 -レッドカーペットでの互いのドレスアップ姿は

 寺島 まさか、レッドカーペットを歩けると思っていなかったので、すごくうれしかったです。ジョシュのタキシード姿を見て、この人ハリウッドスターだったんだ!って思いました。作品ではさえない男の人やってたから。

 ジョシュ 僕は初恋の人のように見えたよ。一目ぼれしました。

 寺島 うそつき!

 -ジョシュに聞きます。これまで「ブラック・ホーク・ダウン」「ブラック・ダリア」といった大作に出てきて、こういった小さなバジェットの映画に出る意義をどうとらえている

 ジョシュ 僕がひかれるのは、今から初監督を務めるフレッシュな人。初監督作品に出るのは8本目かな。平柳監督は、脚本を読んだ時からビジョンがすごく明確だった。参加しないなんてことはできないと思った。

 -もしかして、自分も監督をしたい

 ジョシュ 多分、作ってみたいという思いは、みんなの中に眠ってると思うよ。

 -寺島しのぶヒロインでどうですか。

 ジョシュ いいねえ。今晩、脚本を送っておくよ(笑い)。うん、作ってみたいね。

 寺島 私は演じたい方が勝っちゃうかなあ。この役はこの人がやった方がいい、というキャスティング能力はあると思います。

 -現場では、互いの子供の話もした

 ジョシュ 互いの子供にも会えたね。僕は最近パパになったばかりだから(15年誕生)、教えてもらうことばかりだったけど。

 寺島 でもジョシュのところには、もうすぐ2人目が生まれるみたいなので、先輩です。

 -作品は43歳独身OLが主人公

 寺島 日本では成り立たないですね。20代(の役者)が中心だから。私も日本では生きにくくなっている。でも、関わった作品が世界で見られるような作品に出たい。どこの国でも、いい作品だったら出たいと思っています。