女優東ちづる(57)がプロデュースしたドキュメンタリー映画「私はワタシ over the rainbow」(増田玄樹監督)のマスコミ試写会が4日、都内で行われた。

 「レインボー・リール東京 東京国際レズビアン&ゲイ映画祭」への出品を目標に制作された作品で、はるな愛(44)ら著名人を含む、45人のLGBT(性的マイノリティー)へのインタビューで構成される。

 東は、障害の有無にかかわらず全員が“まぜこぜ”に暮らす社会を目指す一般社団法人「Get in touch!」の代表を務めている。

 「『なりたい私になりたい』というテーマで、1年半かけてやっと完成しました」とホッと一息つくと、「LGBTはブームだけど、見えない壁があると思う。活動している人たちは、もやっと感じている。この映画は、カジュアルにフラットが知ってもらうために、一助にでも二助にでもなればと思います」と呼びかけた。

 映画作りの中で、発見もあったという。完成した映画を見た人から「僕の性が出てこなかった」と言われたことを明かし、「今回知ったのは『無性(むせい)』。男性、女性、両方、中間、という人には出会ってきたけど、どちらもない方には初めて会いました。その人に言われて、後から撮り足したんです」と説明した。

 映画を鑑賞した映画コメンテーターの有村昆氏(41)は「今年のアカデミー賞を『ムーンライト』が取ったように、『ブロークバック・マウンテン』がアカデミー賞を取って(ノミネート)以降、LGBTの波が来ている」と、映画界の流れを分析。「5年後には、この映画が当たり前になっている感じがする。LGBTの方以外に見てもらうべき映画だと思う」と熱弁した。さらに「妻(丸岡いずみ)が一時うつで大変だったとき、うつが分からない周りの方から、変な目で見られることがあった。僕はそれも一つの個性だと思っているけど、LGBTの方も僕らと全然変わらない、1つの個性なんだと、すごく強く感じました」と、自身の経験をふまえて感想を述べた。