嵐・櫻井翔(35)と蒼井優(32)が4日、都内で行われた日本テレビ系連続ドラマ「先に生まれただけの僕」(14日スタート、土曜午後10時)完成披露試写会後、取材陣の囲み取材に応じた。

 2人は、芸大生を演じた06年の映画「ハチミツとクローバー」(高田雅博監督)以来、11年ぶりの共演となる今作で、校長と教師を演じた。蒼井は、言葉をかけるタイミングの絶妙さこそ、櫻井の人気の秘密だと分析した。

 蒼井 本当にすごいなぁと思ったのが、生徒(役の子)が絶対に褒めてもらったら、うれしいというタイミングで、絶対に褒めるんですよね。それが、やっぱり違う…櫻井さんが、みんなに好かれる理由が分かる。すごい緊張の中で、頑張った子に「すごい良かった」と、ちゃんと伝える…あれはすごい。ちゃんと見てくれている、言葉がもらえるのはうれしいことだから、すごい。

 一方、櫻井は、自身と蒼井が「年を重ねたからか、キャリアを重ねたからか…大人になった」と現場で感じたと明かした。

 櫻井 優ちゃんが現場で、すごいすてきなことを生徒に言っていた。「10代の時に出来る仲間は、かけがえがない。こういう出会い方は、大人になったら、なかなかそういう関係は出来ないので(撮影期間は)大事な時間にして欲しい」と。(若い子たちに)声をかけたくなる年になったんだなと思う。前の作品の時、僕らは美大生で恋に落ちた。それから10何年たつと、生徒に…どこまで残すかはその子たち次第だけど、何かを伝えてあげたいと思うようになったんだと。不思議ですね。

 櫻井は劇中で大手総合商社・樫松物産で抜群の営業力をもって活躍しながら、出世を目前に不採算部門・京明館高校に校長として“左遷”され、再建を命じられた商社マン鳴海涼介を演じた。第1話の終盤には、父がくも膜下出血に倒れ、大学進学を諦めようとしている男子高生に奨学金を勧めた教師たちに対し、奨学金は進学後、借金に変わる側面がある現実を伝えるよう熱弁し、生徒にも直接、語りかける場面がある。

 セリフの中には、給付型奨学金についても触れられるなど、学生の貧困という現代社会の問題も、しっかり落とし込まれた長ぜりふとなった。櫻井は「NEWS ZERO」キャスターとして昨年、給付型奨学金に関する取材をした経験がある。「正直、ドラマの現場でキャスターとして得たことを持ち込むことは基本、ないんですけど…取材で伺ったお話が、1年たって自分が出させてもらうドラマの第1話で、その話になると思わなかった。縁、つながりを感じます」と感慨深げに語った。