先週、ハリウッドの重鎮として知られる大物プロデューサーのハーベイ・ウェインスタイン氏(65)が、その立場を利用し、女性たちへのセクハラを繰り返してきたとニューヨーク・タイムズ紙が報道した。

 ニューヨーク・デイリー・ニューズ紙によると、同報道によりハリウッド業界に大きな波紋が広がる中で、メリル・ストリープ(68)、ジュディ・デンチ(82)、グレン・クローズ(70)の3人の大御所女優たちが9日、同氏を非難したという。

 かつて、ウェインスタインを”神”と呼んだこともあるストリープは米ハッフィントン・ポスト紙にコメントを発表。「ハーベイ・ウェインスタインに関する恥辱的なニュースは、彼と仕事をした私たちを驚かせました。声高らかにこの虐待を暴露した勇猛な女性たちは、私たちのヒーローです。1つだけハッキリさせたいことは、誰もがこのことを知っていたわけではないということです」と語った。

 ウェインスタイン氏のイニシャルのタトゥーを背中に施しているデンチは報道内容について、”恐ろしいこと”とコメント。

 クローズもまた、「私は怒っている。彼に対してや、彼の行動をめぐる沈黙が共謀されたことだけでなく、”キャスティング・カウチ”と呼ばれる現象が、私たちの業界でまだ現実にあることに対してです」とコメントした。

 タイムズ紙によると、ウェインスタイン氏は何十年もの間、女優のアシュリー・ジャッドらを含む女性たちを餌食にした上、少なくとも8人の犠牲者たちとの間で、ひそかに示談を成立させたという。同氏はこの報道後、謝罪を発表したものの、同紙を訴えると脅したと報じられている。

 ニューズ紙によると、同氏はタイムズ紙による報道後、自らの弟ボブ・ウェインスタイン氏ら共に理事を務める「ウェインスタイン・カンパニー」をクビになったという。

 ニュースキャスターのローレン・シヴァンは9日、米NBCテレビのインタビューで、ウェインスタイン氏にレストランで迫られ、同氏がマスターべーションしている姿を見るよう強制されたと明かした。(ニューヨーク=鹿目直子)