THE ALFEEが、結成45周年を迎える。先月20日には、67枚目シングル「人間だから悲しいんだ」を発表。自己主張よりも、互いに譲り合う「どうぞどうぞ」精神が基本だという。高見沢俊彦(63)坂崎幸之助(63)桜井賢(62)が、長年バンドを続けることができた秘訣(ひけつ)を明かした。

 新曲「人間だから悲しいんだ」のメインボーカルを決めるため、久々に3人でオーディションを行った。

 高見沢 今年は結成45周年。弾みをつける意味でも面白いかなと。うちのメンバーは歌いたがらない。嫌がるんですよ。

 坂崎 (メインボーカルに決まり)嫌な予感はしていましたが…。ハモったり、歌うのは好きですけど。

 73年に明学大で出会い、結成から45周年。自然に「担当」もできた。桜井が営業部、坂崎が宣伝部、高見沢が曲を作る制作部。当初、音楽の趣味も違ったが、バンドを続けてこられた理由はいくつかある。

 桜井 お互い影響し合い、あれもこれもとやっていくうちに鍛えられていったのも事実です。大滝詠一さんが「高見沢君が作っているからこそ、桜井君はそこを無理してまでやったから、それだけキーが上がったんだよ」と。みんな努力しているんだと思いますよ。

 高見沢 3人とも次男坊だからというのもありますよね。どうぞどうぞって。

 坂崎 ダチョウ倶楽部精神だね(笑い)。

 高見沢 楽だもん。こういう形が。自然なのかな。

 桜井 1人で全部やるのは不可能。精神を病むし、休む期間も必要。

 結成時から最も印象に残ることをそれぞれ挙げた。

 坂崎 学生時代の出会ったころです。うちのアパートに来てみんなでマージャンをやったり。音楽も含めていつも一緒にいた。

 高見沢 83年「メリーアン」が世に出たのは印象深い。それから全てが始まりましたからね。それまで何をやってもダメで…。

 桜井 僕は今が一番いいと、いつも思うんだけど。

 通算公演数2662回は日本のバンド最多公演記録を更新し続けている。還暦を迎えた3人が昨年結成したユニット「ザ・カンレキーズ」が日本レコード大賞企画賞を受賞。70歳の古希も視野に入れている。

 坂崎 まずは「ザ・コッキーズ」ですよね。

 高見沢 若い人たちが「あんなジジイでもできるんだ」と少しは思えるバンドがあれば。時代が求めているのは新しいものだけど、僕ら熟練工みたいなものもあって、音楽界のいい熟成になる。僕らみたいなのも、やめちゃダメなんですよ。【近藤由美子】