シンガー・ソングライター宮田悟志(33)が15日、大阪市内で日刊スポーツの取材に答え、10日にリリースしたばかりのソロデビューアルバム「RISE」をPRした。11年に2人組ボーカルデュオのBREATHE(ブリーズ)としてメジャーデビューしたが、16年4月の解散と同時にソロ活動を開始。1年9カ月間、「もう1度ここから頑張ろう」という強い思いで1人、活動の場を広げてきた。

 16年にはEXILEのMATSU(松本利夫=42)演出の舞台に出演、ステージで実際に歌う難役をこなし、アルバムにも収録された主題歌「かげろう」を披露した。「ちょうどMATSUさんも劇団の旗揚げなど新しい挑戦をされたときで、自分のソロ活動開始とかぶった。そんなご縁でお声掛けいただいたので、頑張ろうと思った」。他にも朗読舞台やナレーションなど音楽活動以外の挑戦を続けた。

 もちろん、全国7カ所を回るツアーを行うなど、本業にも注力してきた。1人で歌い切るライブは「体力がいるんです」と笑顔。「特にブリーズ時代は相方が関西人だったので、MCは任せていましたね(笑い)ソロになってからもMCはこんな感じで淡々としています」と自然体だ。

 活動の幅を広げて磨いた「表現」を楽曲に還元したのが新アルバムだ。全11曲が収められ、ソロになった1年9カ月を共にした思い入れの強い6曲に新作5曲を加えた。これまでの活動や感じたことを作家陣と共有し、丁寧にアウトプットできたという。

 中でも、リード曲「RISE」は、中学時代からの野球仲間で親友のヤクルト雄平選手を思って作った応援歌にも聞こえる。「雄平は昨季ケガシーズン途中から2軍調整が続いた。最終戦で復帰してくれたのですが、それまで懸命にリハビリに励み、孤独と向き合っていた。そんな彼の姿と自分が重なったんです」。

 実は宮田はエリートともいえる野球キャリアを歩んできた。楽天松井裕樹投手らも輩出した神奈川・青葉緑東シニアから名門東北高校を経て、ソフトバンク長谷川勇也もチームメートだった専修大学でプレー。2年春には甲子園にも出場した。「大学でケガをしてしまって。今でも野球は大好きです。学んだことが多いし、当時の監督や母校はいつも気になります」。特に、雄平については「当時から投打にすごかった」と尊敬のまなざし。今でも自分のことのように応援しているという。

 そんな親友も、宮田を気に掛けているようだ。付属のミュージック・ビデオ(MV)には雄平本人が登場。投手・宮田と打者・雄平が球場で向き合うシーンが、勝負にかける決意を込めた伸びやかなボーカルを彩る。同曲は18年度のプロ野球ヤクルト戦、神宮球場で雄平が打席に登場する際、流れる1曲にも選ばれた。「いつか野球をテーマにした楽曲を歌いたい」。クールな瞳の奥で静かに闘志を燃やす宮田の目は、グラウンドで白球を追う少年そのものだ。

 アルバムの販売は、EXILE TRIBE STATION(https://www.exiletribestation.jp/)を参照。