歌手で女優の小泉今日子(51)が1日、一部週刊誌で報じられた妻子ある俳優豊原功補(52)との交際を認め、自ら不倫関係を明らかにした。所属事務所「バーニングプロダクション」からの独立を、15年に自ら設立した個人会社「明後日(あさって)」のホームページで発表した際に、交際も明らかにした。「全てをこの身で受け止める。人間としてのけじめとしてご報告させていただきます」などとつづったが、これがコイズミ流のメッセージなのだろうか。

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 世間では、不倫へのバッシングだけでなく、不倫報道への逆バッシングも乱れ飛ぶ中で、小泉が不倫交際を認めた。彼女より2歳下で、80年代アイドルなら聖子や明菜より、コイズミ派を貫く身としては「さすがキョンキョン。『なんてったって不倫』だよ!」などと、編集局の真ん中で口にした。すると、コメントを熟読した同じく「小泉世代」の女性記者は真剣な表情だ。「キョンキョンっぽいなとは思うけど、『不倫の何が悪い』とまでは言ってませんよね」。確かに、793文字のコメント全文には、長年世話になった事務所への感謝や今後の活動よりも、一連の報道で迷惑をかけた豊原の家族へのわびに半分以上が割かれた。

 小泉今日子にはいつも驚かされる。「キョン2」の愛称表記もそうだが、デビュー2年目にはアイドルの定番だった長髪にウエーブをかけた「聖子ちゃんカット」を刈り上げた。絵の具を塗りつけた全裸を紙に投げ出し「魚拓」のような作品も出版した。92年に死亡説が流れるエイズ騒動に巻き込まれると、「陰性」を示す検査報告書をTシャツにプリントして公表。「エイズに対する差別を気付かせてくれた」と語った行動が強烈だっただけに、今回も世の中の不倫バッシングに対する、コイズミ流メッセージにも受け取れた。

 一方で「アイドルはイメージが大切よ」と歌いながら、あまりにも自分や事実とかけ離れたイメージや情報が広がった時、大胆な行動を伴った正義感が発揮されてきた。事実が伏せられたまま、恋愛もあらたな活動もできやしない。そんな決意を感じずにいられない。【久我悟】