「三度目の殺人」(是枝裕和監督)で助演女優賞を受賞した斉藤由貴(51)は、85年に初主演した「雪の断章 -情熱-」で新人賞を受賞して以来の受賞に涙ぐみ声を詰まらせた。

 斉藤は壇上で、母の淳さんを客席に呼んでいると明かした上で「お母さん、ごめんね。来てくれて、ありがとう」と、目に涙をいっぱいためて言った。

 謝罪の理由については語らなかったが、昨年は世間を騒がせた。8月に50代の医師とのダブル不倫が報じられ、一大騒動を巻き起こした。受賞決定時のインタビューでは、子供たちから「やったじゃん」という言葉をもらったこと、「旦那さんにも言いました。『ノミネートだけでもお祝いしようね』と言ってたので、実際にとってびっくりしてたみたい」と明かしていた。また「授賞式を両親に見せたいです。両親が見てたら、泣いちゃうかも」とも語った。

 「三度目の殺人」では、殺人事件の被害者の妻を演じた。広瀬すず(19)が演じた娘を追い込んでいく、深い闇を感じさせる役どころを演じた演技には、すごみすら感じさせた。その演技が評価されての受賞となった。斉藤は「32年前、『雪の断章 -情熱-』という作品で相米慎二監督の下、初めての長編の本編に参加させていただき、ブルーリボン賞をいただいたことは記録にはあるんですけど、どのように賞をいただいたかは全く覚えていなくて…こんなふうに思いがけず、年月がたった中、いただいたのが夢のような気持ち。本当に思いがけないプレゼントだと思います」と、何度も声を詰まらせながらも感謝の言葉を語った。

 司会の大竹しのぶ(60)からは「去年は、いろいろ大変だったけど」と突っ込まれたが「そこでいいですか? 大竹さんと今日、会えてうれしい」とかわした。大竹が「私も、いろいろあったから…」と続けると「そういうことじゃなくて…頑張ります」と笑みを浮かべつつ制した。

 斉藤は授賞式後のフォトセッション時も、目に涙を溜めており、胸に込み上げてくるものがあったようだ。