菅原文太さんと共演した映画「まむしの兄弟」シリーズで知られる俳優川地民夫(かわち・たみお)さん(本名・河地猛=かわち・たけし)が10日午後4時59分、脳梗塞のため、神奈川県横須賀市の病院で死去した。79歳だった。通夜は15日午後6時から、葬儀・告別式は16日正午から、同県逗子市久木1の2の6、逗子二葉会館で営まれる。喪主は妻河地(かわち)レスリーさん。

 関係者によると、川地さんは昨年から今年にかけて脳梗塞で2度倒れ、いずれも入院した。2度目となった2週間ほど前は、救急搬送されたまま意識が戻ることはなかった。妻、娘、日活時代から付き合いのある元俳優の友人に見守られて息を引き取ったという。昨年冬に電話で話した映画関係者は「変わった様子や、体調が悪いという話もありませんでした」。川地さんは生前、15年に脳梗塞で入院し、半年間のリハビリ生活を送っていたことも明かしていた。その後は、体調には留意した生活を送っていたという。

 川地さんが逗子市内で経営するバーの付近住民によると、最後に見掛けたのは3週間前。つえをついて歩き、飼い猫の体調を心配していた。「元気になったんだと思いました」。

 川地さんは逗子市生まれで、隣家に石原裕次郎さん一家が引っ越してきた縁で、関東学院大在学中に裕次郎さんと同じ日活に入社。58年映画「陽のあたる坂道」で裕次郎さんの弟役でデビュー後、青春映画などで活躍した。日活退社後は「まむしの兄弟」シリーズのほか「仁義なき戦い」など多くの作品に出演した。