米アカデミー賞を主催する映画界の最高団体、映画芸術科学アカデミーのジョン・ベイリー会長(75)からセクハラ行為を受けたとの複数の申し立てが寄せられ、アカデミーが16日までに内部調査を始めた。複数の米メディアが報じた。アカデミーは「全ての調査が終わるまでコメントできない」としている。

 映画界では昨年秋、大物プロデューサー、ハーベイ・ワインスタイン氏の疑惑が発覚したのを機に、セクハラ問題が続出。アカデミーは同氏の会員資格を剥奪し、行動規範やクレームの処理方法を定めるなど業界の体質改善に力を入れている。

 ハリウッドで4日開かれた第90回アカデミー賞授賞式でも多くの出席者がセクハラ被害者支援キャンペーン「タイムズ・アップ」(「もうおしまい」の意味)のバッジを着けて参加。被害を受けた女優らが再発防止などを訴えたばかり。

 ベイリー氏は「アメリカン・ジゴロ」「恋愛小説家」などの撮影を手掛けたベテラン。昨年8月にアカデミーの会長に選ばれた。