ファンや人間関係を大切にする坂本冬美の真摯(しんし)な姿勢に触れました。

 14日、故郷の和歌山・上富田町で、新曲「ただいま故郷」(発売未定)の歌碑除幕式を行い、その後に、上富田町文化会館でコンサートを開催しました。

 リハーサルのために会場入りをする際、小さな子どもが待っているのを見つけると、かがんで目線を合わせ、頭をなでていました。子どもは大喜びです。車いすのお年寄りには、立ち止まり、手を握りながら「よく来てくれました」と感謝の言葉を伝えていました。

 公演でのトークは“お国言葉”が盛りだくさん。地元愛を痛感します。45分を予定していたステージは、客席のリクエストに応えて、ラインアップに入っていない曲を歌い続けて30分もオーバー。楽屋ではスタッフが「だれか、止めてよ!」。苦笑交じりの悲鳴が聞こえました。

 公演後は、最寄りの空港に戻る途中の短い時間で、地元の同級生たちと食事会。そこには、ステージ上では決して見せない素顔(文字通りの素顔)を見せていました。「坂本冬美」は本名なので、「冬美がさぁ~」「冬美はねぇ~」と同級生たちが声高に言います。その言い方はすごく親しみを込めたもの。「この人たちと会うと笑いっぱなしになるので、ステージ前には会わないようにしているの。声がかれちゃうからね。分かるでしょ?」。冬美さん、確かに分かりますよ。

 故郷で十分な充電をした坂本の今後の活躍に期待です。