乃木坂46生駒里奈(22)は、パフォーマンス時に見せる幅広い表情が魅力のアイドルだ。純朴な少女の顔から、クールなダンス、そして元気いっぱいの笑顔まで、さまざまな表情を見せる。

 特に、メンバーの若月佑美(23)から「MV(ミュージックビデオ)の天才」と言われるように、楽曲のMVでかいま見せる多くの表情は、ファンやメンバーの記憶に刻まれている。

 発売中の「月刊AKB48グループ新聞4月号」内の「乃木坂46新聞」で、生駒のMVベストシーンを同期の1期生19人が選ぶ企画を掲載している。1期生たちの愛のある投票結果は紙面でぜひ見ていただくとして、今回は僭越(せんえつ)ながら、デビュー前から乃木坂46を担当していた記者が、独断と偏見で「生駒里奈のMVベストシーン3」を選ばせていただきたいと思う。

 ◆3位 「ぐるぐるカーテン」の1番サビに入る瞬間、振り返ってジャンプするシーン

 サビに入る瞬間、全メンバーがジャンプして前に振り返るのだが、生駒だけが膝を曲げて「ピョン」と跳ねる。これは、特に初期の生駒のパフォーマンスの特長の1つでもあると推測するが、「他のメンバーよりちょっとだけ幅を大きく動く」という部分の代表的なシーンだと思う。当時、同曲の振り付けを担当していた南流石氏も「生駒のこれがいい!」と絶賛していた。生駒はジャンプとの愛称が良く、「会いたかったかもしれない」の冒頭のジャンプもためらいなく思い切りしていた。

 個人的には、少年漫画の主人公は比較的、ジャンプ力が高いと思っていて、生駒もそれに通じるものがあるのではないか、と深読みしていた。

 ◆2位 「サヨナラの意味」ラストのダンスシーン「本当の気持ち問いかけた」の部分で、踊りながら切なげな笑顔を見せるところ

 近年はセンターではなく、前から3列目のポジションを務めることも多かった生駒。MVでフィーチャーされる機会も初期と比べて多くはなかったが、「限られた瞬間で爪痕を残す」パターンの代表的なシーンだ。少し大人びた表情で、キレのある腕の動きも印象的だ。同曲のCMでも、この部分がきっちり使われていた。同期メンバーからもこのシーンを推す声が複数あがった。

 生駒本人に聞くと、「いやいや、あのMVでは、私はあそこしかないですから」と謙虚に話した。ちなみに、「命は美しい」ラストのダンスシーンの「花の」の部分で見せるパフォーマンスにも、同様の魅力があるとも思う。

 ◆1位 「おいでシャンプー」1番のサビのリップシーン

 「アイドル・生駒里奈」というテーマで考えると、この場面が一番に思い浮かんだ。笑顔で画面に飛び込んだ後、リズムを刻みながら一生懸命に歌う。ういういしい表情も残しながら、輝く瞳の奥には2作連続(当時)のセンターを背負った責任感も感じさせる。リップシーンとしてはかなり長め(約5秒)の尺ということもあって、もしかしたらかなり意外なチョイスかもしれないが、このシーンを1位とした。

 もちろん、最新シングル「シンクロニシティ」(25日発売)に収録されるラストセンター曲「Against」のMVは画期的でおしゃれだし、ソロ曲「水玉模様」のはかなさも捨てがたい。そして代表曲「制服のマネキン」のクールな表情、「君の名は希望」のダンス&リップバージョンMVもシンプルで分かりやすい。

 11年8月の加入から6年8カ月の活動期間で、生駒が見せたさまざまな表情を振り返るという意味でも、もう一度乃木坂46のMVをくまなく見返してみてはいかがだろうか。