女子高生への強制わいせつ容疑で書類送検され、起訴猶予処分となったTOKIO山口達也(46)が、ジャニーズ事務所を契約解除となったことが6日、分かった。ジャニーズ事務所が同日夜にファクスで発表。山口の退職願が受理され、6日付で契約解除となった。94年のデビュー以降TOKIOから脱退者が出るのは初めて。4人で再スタートを切ることになった。

 事務所がマスコミに送った書面では、被害者や関係者に謝罪した上で、契約解除に至った経緯が明かされた。この日、リーダーの城島茂(47)とジャニー喜多川社長が協議し、山口の辞意を受理する判断をした。山口からも個別に、ジャニー氏へ直接の強い辞意表明があったという。

 山口は事件に対する謝罪と社会的影響の大きさを自覚しているが、飲酒における問題を抱えている。「再び社会に復帰するためには、本人の強い意志と周囲のサポートが不可欠です。無期限謹慎という曖昧な形ではなく、本人の強い意思でもある辞意を受け入れ、山口が1人の人間として自分と向き合う形をとらせるべきだと決断いたしました」と契約解除の理由を説明した。事務所は、山口が社会に責任を果たすために必要な支援を今後も積極的かつ継続的に行うという。

 事件は今年2月12日に起こった。山口が知人の女子高生を家に呼び出し、友人とともに訪れた女子高生にキスをしたとされる。女子高生は警察に被害届を提出。3月末に警察が山口の自宅を訪れ、その後3回の事情聴取が行われた。

 事件発覚翌日の先月26日、無期限の謹慎処分となり、謝罪会見を行った。TOKIOのメンバーは会見を見て初めて事件を知り、同30日に山口を含めたメンバー5人で話し合った。その場で山口から退職願を出されたが、4人は答えを保留。ジャニー氏に話し合いの内容を伝えていた。事務所としては「メンバーの心情に配慮しながらも、社会的影響の大きさから、すみやかに意思決定すべきとの考え」だったとし、この日、メンバーの総意としてジャニー氏に託され、契約解除が決まったという。

 山口は音楽活動でベースを担当し、バラエティー番組などで人気を得てきた功労者でもある。だが、多くの女性ファンを抱えるアイドルとしてタブーを犯した社会的責任は重く事務所も苦渋の決断を下した形だ。

 今後、TOKIOは4人で活動を続ける。来年はデビュー25周年を迎える中で、音楽活動については白紙だ。山口以外の4人は連名でコメントを発表。「今一度TOKIOとして原点に戻り、それぞれが己と向き合い、誰のために、いったい何をするべきなのかしっかりと考え、前を向いていきたいと思います」。デビュー24年で訪れた大きな試練。信賞必罰の姿勢をグループと事務所が示すことで、4人での再出発を図る。