77年の映画「八甲田山」の4Kデジタルリマスター版特別上映会が4日、都内で行われ、撮影監督を務めた木村大作氏(79)と作品に出演している北大路欣也(75)が登壇した。

日露戦争開戦直前、厳冬の八甲田山を南北から踏破する雪中行軍を行う2連隊の姿を描いた作品で、主演は高倉健さん。八甲田で3年かけて撮影が行われた。公開当時、日本映画の最高興収にあたる25億円を記録した。

木村氏は「猛吹雪は本物です。風が起こるのを待って撮っています。あの頃はクレイジーでした」と当時を振り返って苦笑い。作品は公開当時、「吹雪でキャストの顔が見えない」と言われたそうだが、「加山雄三さんがどこに出ているか分からなかった、という話があるけど、今回は分かると思います」とおちゃめにアピールした。

北大路は、撮影で使用して今も大事に保管しているという雑嚢(のう)を持参した。「(映画は)人生そのもの。あのときの雪山の1歩1歩は僕の人生です」と、作品への思いを語った。

「八甲田山」4Kデジタルリマスター版は、12月に開局される「日本映画+時代劇4K」チャンネルで、12月2日午後9時からテレビ初放送される。