東京都内で酒気帯び運転をしてひき逃げし、2人に軽傷を負わせたとして、元モーニング娘。でタレントの吉沢ひとみ被告(33)が26日、自動車運転処罰法違反(過失傷害)と道交法違反の罪で、東京地検に起訴された。法定速度を26キロ超える時速86キロで交差点に進入したという。吉沢被告の弁護士はこの日、東京地検に保釈を請求した。

飲酒運転、ひき逃げ、矛盾する供述-。一時代を築いた元アイドルグループのリーダーが引き起こした重大事件は、吉沢被告が起訴されたことで真相の解明は司法の場にゆだねられる。

吉沢被告は今月6日午前7時ごろ、東京・中野区の交差点で、酒気帯びの状態で乗用車を運転し、赤信号を無視。女性をはねるなどして男女2人に軽傷を負わせて走り去ったとして、警視庁中野署に逮捕された。同16日が勾留期限だったが、10日間延長され、26日に勾留期限を迎えていた。

20日間の勾留期間には、吉沢被告の供述の矛盾点がいくつも浮かび上がった。逮捕当初、女性をはねた後にすぐ停車しなかった理由について「周囲に車が多く、停車できなかった」としていた。だが、今月14日に「FRIDAY」が公開した映像では、交通量が少なく駐車できる状況だったことが明らかになった。

さらに飲酒量についても、今月8日に明らかになった供述では「缶酎ハイ3缶を飲んだ」としていたが、12日の家宅捜索で事件前の飲酒時に使用していたとみられるグラスなどを押収され、「他にも酒を飲んだ」と供述を変えた。

この日、明らかになった東京地検の起訴状によると、吉沢被告は法定速度が時速60キロの道路を約26キロオーバーする時速86キロで交差点に進入したという。捜査関係者によると、吉沢被告は事故の約15分後に自ら110番し、現場に戻った。呼気検査で、基準値の約4倍に当たるアルコールが検出された。

吉沢被告の弁護士はこの日、東京地検に保釈を請求した。この日は勾留先の警視庁原宿署から釈放されなかったが、早ければ今日27日にも釈放される。

◆警察署は一時騒然 この日、東京地検が起訴したことで、吉沢被告の弁護士が保釈を申請した。これを受けて、吉沢被告が拘留されている都内の警察署には雨の中、報道陣約70人が駆け付け、一時騒然となった。署の敷地で規制線が引かれたことから、吉沢被告が姿を見せるのではないかとの見方も広まったが、この日の内に保釈されることはなかった。