俳優溝端淳平(29)主演のフジテレビ系連続ドラマ「仮面同窓会」(土曜午後11時40分)が、1日から放送される。

溝端が演じるのは、住宅設備機器を扱う営業マンの新谷洋輔。高校卒業後故郷を離れ、過去にふたをして生きてきたが、それには2つの理由があった。18年前に兄を事故で亡くしたこと、そして同級生たちと高校時代に受けた暴力教師による体罰。この忌まわしい記憶から逃れるためだった。しかし洋輔は仕事でミスをして異動となり、再び地元へと帰ってくることになる。そして、高校時代の親友4人で、体罰教師・樫村貞茂(渡辺裕之)への仕返しの“仮面同窓会”を開き、少し痛めつけて放置。だが、樫村は遺体となって発見され、4人は疑心暗鬼に陥り、新たなる殺人が起こっていく。

溝端は「8年ぶりの民放ドラマ主演ですが、8年前とはお芝居に対する考え方が違っています。(舞台演出家の)蜷川(幸雄)さんとの出会いが大きいですね。難解なものに挑戦して、成長できた8年でした。すてきな作品で、それを出したい。毎回、展開が気になって、ドキドキして夜も眠れなくなる作品になるように頑張って作りました」。

06年に「ジュノン・スーパーボーイ・コンテスト」でグランプリを獲得して、07年にテレビ朝日系「生徒諸君!」で俳優デビュー同年フジテレビ系「花ざかりの君たちへ~イケメン♂パラダイス~」に出演、08年にはフジテレビ系「八ワンダイバー」で連ドラ初主演を果たした。「ちょうど23、24歳くらいの時に、このままじゃ自分は成長できない、と。トンネルに入る感覚でした。その時に蜷川さんと出会いました。遠回りだけど、成長できると思った。所属事務所の社長と話し合って、30歳になった時に映像の仕事が来る役者になれたらいいねと、言葉に出して目標にして精進してきました。このドラマの話が来た時に、思いは届くのかなと思いました。チャンスをいただけた分、返していきたい」。

1989年(平元)生まれ。14日には30歳になる。「お芝居の楽しさも難しさも、蜷川幸雄さんに教えてもらった。『武蔵』という作品で海外公演もやらせていただいた。韓国では『なぜ、蜷川なのにシェークスピア作品をやらないんだ』と言われました。蜷川さんが『武蔵と小次郎の憎しみの連鎖を断ち切る作品。日本と韓国も、そうならなくては』と。韓国の若い人たちが泣いてくれているのを見て、蜷川さんの『なぜ、この作品をやるのか意味を考えろ』という言葉の意味が分かりました。いろんなこと、指針がはっきりと向いたのが8年前との大きな違いです」と話している。

第1話では、洋輔(溝端)は、帰宅途中にストーカーに追われていた女性を助ける。その女性は、高校時代の憧れの同級生・竹中美郷(瀧本美織)だった。偶然の再会を喜ぶ洋輔に、美郷は近々開かれる高校の同窓会に行かないかと誘う。過去から逃げ出したい洋輔だったが、美郷との出会いにテンションが上がり、同窓会に出席する。

そこで再会したのは、かつて行動を共にしていた幼なじみの皆川希一(佐野岳)大見和康(木村了)片岡八真人(廣瀬智紀)。故郷を離れて以来、彼らと会うことを避けてきた洋輔だったが、再会した瞬間から一気に学生時代のノリに帰っていく。その会場には、憎き体罰教師・樫村(渡辺)も出席していた。樫村の顔を見て、再び洋輔の胸中には過去のトラウマがよみがえってしまう。

同窓会終了後、希一、和康、八真人の3人は、彼らのたまり場として使っている廃パチンコ店に洋輔を誘う。そこで希一が驚きの提案をする。「樫村を拉致し、廃工場に放置して怖がらせる」という、いたずらの計画だった。子供じみた提案に難色を示す洋輔だったが「過去にケリをつけよう」と説得する3人の雰囲気と勢いにのまれ、渋々計画に参加することに。しかしその計画は、予期せぬ方向へと突き進んでしまうことになる。