落語家の林家たま平(25)がTBS系日曜劇場「ノーサイド・ゲーム」(日曜夜9時)にトキワ自動車のラグビーチーム「アストロズ」の選手として出演している。

たま平は初代林家三平さんの孫で、林家正蔵の長男。現在は二つ目落語家だが、明大付属中野中学・高校時代にはラグビー部に所属。165センチと小柄だが、高校ではプロップとして活躍した。オーディションを経ての出演で、「出演が決まってから、僕でいいのかと思った。最初は恐怖しかなかったけれど、大泉(洋)さんをはじめ皆さんが温かく、撮影は朝から夜中までハードだけど、楽しいです」。

13年の高校卒業後に落語界入りし、1度は離別したラグビーとの再会に「また1度ラグビーができることがうれしかった」。体重も68キロに落ちた体を鍛え直した。「体がなまっていた。体重も74キロに戻し、ベンチプレスも80キロから、今は130キロと筋肉もつけた」。

演じる佐々一は、気が優しく、職場でも嫌なことを押しつけられる男で、「自分にも分かるところがある」。山田洋次監督が演出した舞台「マリウス」、12月公開の映画「男はつらいよ お帰り 寅さん」に出演し、鍛えられた。「芝居をする上で育ての親は山田監督。『心に反射しろ』『地に足をつけて』と言われました」。

アストロズのメンバーは、元日本代表の廣瀬俊朗さんをはじめ、現役ラグビー部員の大学生、プロレスラー、ダンサー、お笑い芸人、アメフット選手などさまざま。「広瀬さんも最初はせりふが棒読みだったけれど、撮影に入ると見違えた。日の丸を背負った人はすごい。今は撮影も、みんなで円陣を組んでからやっています」。

5月下旬からドラマ撮影が始まり、9月まで続く予定。その間、落語は封印している。「この経験を落語に生かしたい。人の優しさに触れてきたので、今は無性に人情ばなしがやりたくなりました」。【林尚之】