俳優榎木孝明(63)村上穂乃佳(24)が14日、東京・有楽町スバル座で映画「みとりし」(白羽弥仁監督)公開記念舞台あいさつに登壇した。

映画の企画から携わった主演の榎木は、人生の最期を迎える人を支える「みとり士」を第2の人生に選んだ、定年間際のビジネスマンを演じる。実際にみとり士の講習を受けたといい「見送る側と送られる側が体験できる。現状は85%の方が病院死されるんですけど、残念ながら特に大病院でなくなると霊安室からすぐ葬儀屋さんが待っていて、本当の意味での別れということがないのが現状。(みとり士体験で)こんな温かい交流の末に逝けるんだったら、死も悪くないと言ったらおかしいですけど、やったかやらないかで、感覚が全く違う。こういうお別れもあるんだなと思いました」と話した。

村上は1200人が参加したオーディションで勝ち取った新人みとり士。村上は「台本を読んだ日の次の日がオーディションの日で、読んでる途中、泣くの我慢していたんです。目が腫れちゃうので。でも最後のシーンは我慢ならなくて、そこで(涙が)あふれてしまって。オーディションだからもう1回読もうと思ったんですけど、2回目はずっと泣いてました」と初々しく振り返った。

老朽化などのため10月に閉館するスバル座の、新作としては最後のロードショーとなる。白羽監督は「有楽町スバル座が、この『みとりし』をもってロードショーでのラストピクチャーということで、大変光栄に思っております」と感慨深げに話した。高崎翔太(30)桜井淳子(46)、原案を担当した看取り士、柴田久美子さんも登壇した。