第32回日刊スポーツ映画大賞・石原裕次郎賞(日刊スポーツ新聞社主催、石原プロモーション協賛)の授賞式が28日、東京・紀尾井町のホテルニューオータニで行われ、約650人が出席した。新人賞は「愛唄-約束のナクヒト-」「デイアンドナイト」「いちごの唄」で、それぞれのピュアな役柄を演じた清原果耶(17)が受賞した。緊張した面持ちながら、芝居に向き合う姿勢を自分の言葉で語った。

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今回の新人賞は映画関連では初の受賞だった。授賞式を終えると、やっと17歳らしい自然な笑みがこぼれた。「緊張しましたけど、終わってみれば一瞬の出来事過ぎて、ここでこうすれば良かったかなと、考えちゃう」と反省の弁を述べたが、「新人賞を受賞させていただけて、本当にうれしい気持ちでいっぱいです」と初受賞を素直に喜んだ。そして「新人賞をいただけるイメージが自分の中にまったくできなかったので驚きました」。

受賞スピーチでは妥協しない女優としての一面も見せた。「自分の中で何かつっかかるところだったり、自分がその役を生きていくにあたってうそをついていたら、納得できないものを演じることはできない」とスピーチ。この発言に、司会の露木茂アナが年齢を確認する一幕もあった。

「愛唄-約束のナクヒト-」では、病を患いながらもそれを感じさせず前向きに生きる少女、「デイアンドナイト」では両親が生きていると信じて養護施設で暮らしながら主人公にひかれていく女子高生、「いちごの唄」では石橋静河が演じたヒロイン天野千日の中学時代を演じた。「3作品を撮影したのは2、3年前ですけど、この2、3年で人生の歩み方や生きていく上での考え方を脚本や演じた役から教わることがすごく多かった。その3作の製作に携わったスタッフ、キャスト、監督に対してありがたい気持ちでいっぱいです」と感謝した。

盾プレゼンターは、前年同賞受賞で、欅坂46のセンター平手友梨奈(18)が登壇した。清原も「デイアンドナイト」ではRADWIMPS野田洋次郎が作曲した主題歌「気まぐれ雲」を歌う。「自分が作品の中で生きていく感覚と、主題歌などで外側から関わっていく責任感やプレッシャーを存分に味わいました。いい経験をさせていただいたなと思います」。選考委員の品田英雄氏から花束が贈られた。

出演した3作品には「今の自分を否定せず前に進む強さを教えてもらえた」という。その上で「これからも精進します!」とさらなる飛躍を誓った。【川田和博】

◆清原果耶(きよはら・かや)2002年(平14)1月30日、大阪府生まれ。14年アミューズオーディションフェス・グランプリを獲得。翌年から三井不動産グループなどのCMに起用される。同年NHK連続テレビ小説「あさが来た」に出演。17年には映画「3月のライオン」の泣きの演技で注目を集める。今年7月にはNHKBS「蛍草 菜々の剣」で時代劇に初挑戦した。