落語芸術協会(春風亭昇太会長)は17日、桂宮治(43)を来年2月に抜てきで真打ち昇進させることを発表した。5人抜きで、芸協の抜てき真打ちは昇太以来、29年ぶりとなる。

宮治は31歳で桂伸治門下に入り、サービス精神あふれる爆笑の高座で人気を集め、「にっかん飛切落語会」で2年連続で最優秀賞を受賞するなど、人気・実力を兼ね備えた若手落語家。抜てき昇進に宮治は「順番で真打ちになるだろうなと思っていたので、抜てきは全然思っていなかった。今日、師匠から『決まったよ』と言われて、師匠の弟子で良かった、恩返しが出来た、と思いました」。

宮治は若手二つ目と「成金」を結成し、活動してきた。メンバーの柳亭小痴楽は昨年、神田伯山は2月に真打ちに昇進した。宮治も「成金のメンバーも着実に花を開いている。これまで弱いと言われた芸協の戦力の一つとして頑張りたい。抜てきで真打ちになるからといって、スタンスは変わりません。お客さまに笑って泣いて、満足して帰ってほしいだけです。これからも手を抜かずにやっていきたい」と話した。