NHK連続テレビ小説「エール」(月~土曜午前8時)が30日、スタートした。場面が紀元前1万年から始まり、主演窪田正孝、ヒロイン二階堂ふみが原始人の扮装(ふんそう)で登場する異色のプロローグに、ネット上は「紀元前1万年から始まるドラマ初めて見た」「実写版ギャートルズ始まった」「わたし朝ドラ見てるの?」など大いに沸いた。

「古来、音楽は人とともにあった」ことを原始時代までさかのぼって描いたシーンで、食糧を得て喜ぶ原始人姿の窪田と二階堂が、音を鳴らしながら「ウホウホ」と喜びのダンスをする場面が展開した。

その後も、西部劇、スポーツ選手、四畳半フォーク、トレンディドラマ風のフラッシュモブなどさまざまなカットが続き、「人生のさまざまな場面に音楽がある」というプロローグ。ネットでは「スタートからツッコミどころ満載(笑)」「初回から飛ばしまくってる」「始まりがカオス」「面白いし新しい」などの感想が続々と寄せられた。

主演の窪田は、異色の“原始人スタート”について「軽快かつコミカルに、はるか昔から音楽がいかに人生の中に存在しているかを描いていて、大きなインパクトがありました」とコメント。印象に残っているのは「西部開拓時代の教会でカウボーイ姿で泣いているところ」とし「細かい指示なく、すぐ本番、ワンカットで撮影したので印象に残っています。皆さんが歌ってくれた賛美歌も美しかったですし、ひつぎの中の神秘的な二階堂さんの表情もかわいかったです」とした。

1話は、脚本家林宏司氏が降板前に手掛けたもの。土屋勝裕チーフ・プロデューサーは「林さんのオリジナルのアイデアです。台本が送られてきた時は『あれっ? 違う作品の台本かな?』って目を疑う感じだったのですが、今までとは違う朝ドラが始まるという感じ」と笑顔で語り「音楽を題材にした物語の第1話をどうインパクトをもって見てもらうかというアイデア」と自信をみせた。

また「演出も、出演者も『やるんだったら振り切ってやろう』とけっこう楽しんでやった。手間のかかる1話でしたが、1歩1歩いろんな人生の場面で音楽ってあるよね、ということを表現した」と話した。

作品は、高校野球の「栄冠は君に輝く」や、阪神タイガース応援歌「六甲おろし」など、数々の名曲を手掛けた作曲家古関裕而氏をモデルに、音楽とともに生きた夫婦の物語を描く。