元AKB48、HKT48の多田愛佳(25)が、初の時代劇出演となる東京・明治座公演「恋、燃ゆる。~秋元松代作『おさんの恋』より~」(11月15日まで)で、奮闘している。

85年にNHKで放送のドラマ「おさんの恋」を舞台版に加筆修正した今作は、江戸時代に自分の意志を持って生きた大店の女性おさん(檀れい)を主人公にした物語。多田は、中村橋之助演じる手代の茂兵衛の幼なじみで、思いを寄せる、おたまを演じている。「茂兵衛の(おさんへの)恋心を知り、物語の中で大店の亭主・永心からそのことを問い詰められ、衝動的に茂兵衛をかばうシーンがおたまの見どころだと思います」と話す。

初の時代劇で、稽古から演出の石丸さち子氏からみっちりと演技指導を受けて臨んだといい「1番印象に残っているのは、気持ちをグッと上げると、言葉に説得力が出るということを教わりました。声の出し方といいますか、自分は言葉の語尾を抜いてしまう癖があって、自分でも直したいと以前から思っていたので、対処法を教えていただけて、ありがたいお稽古でした」と振り返る。

17年4月にHKT48を卒業。舞台を中心に女優としての経験を積み上げている。目指すは、マルチに活躍するムロツヨシといい「役者として舞台はもちろん、もっといろんなジャンルの映画やドラマでも存在感を示せるようになっていきたい。目指すは“女性版ムロツヨシ”さんです!」と意気込む。

「今回時代劇に初挑戦して、所作や方言など、やったことがないことをできるようにするのは簡単なことではありませんが、食らい付いてがむしゃらに挑戦できています。表現者として少しだけ大きく、賢くなれていたらうれしいです」と前を見すえている。

 

◆多田愛佳(おおた・あいか)1994年(平6)12月8日、埼玉県生まれ。06年12月、AKB48の3期生オーディションに合格し、07年4月デビュー。09年には派生ユニット「渡り廊下走り隊」を結成。12年8月、HKT48チームHへの移籍を発表。14年1月から同チームK4のキャプテンを務める。17年4月に同グループ卒業。18年4月、博多座「舞妓はレディ」、19年10月「キャッシュ・オン・デリバリー」など舞台出演多数。今年8月にアパレルブランド「bojogae(ポジョゲ)」のディレクター就任。「大人への過程」をテーマにした21年カレンダーも発売中。愛称「らぶたん」。血液型O。