関ジャニ∞大倉忠義(35)が30日、都内のユナイテッドシネマ豊洲で行われた 主演映画「窮鼠はチーズの夢を見る」(行定勲監督)大ヒット記念舞台あいさつで、行定勲監督(52)からサプライズで手紙を送られ、感極まった。そして「思い返せば、いろいろありましたね。僕らグループも、すごい、いろいろあったんですよね」と感慨深げに語った。

行定監督の手紙の中には、大倉が主演のオファーを受けた際、心身ともにベストではなかったこと、その状況を押して撮影に挑んでいたことがつづられていた。

行定監督 思い返せば、大倉が恭一役を引き受けてくれたところから、この映画は実現の道を歩み始めました。あの頃、岐路に立たされていた君が、よく映画出演を決めてくれました。衣装合わせの頃は、太っているわ、すさんでいるわで、大丈夫かなぁと心配しつつも、そんな内面を露呈してしまっている、正直な君が人間くさくて逆に興味を持ちました。映画を撮り始める前に、もっと君と分かり合いたくて、あえて踏み込むことが君を楽にするすべだと考え「荒れてる?」って直球を投げたら、君はどうしようもない顔をして満面の笑みを浮かべて「はい」って正直に答えたよね。足の指を骨折していたから、情けない気分だったんだろう。

大倉は、日本テレビ系で19年2月に放送された「行列のできる法律相談所」で、18年大みそかのNHK紅白歌合戦とジャニーズカウントダウンライブに出演後、転倒して右足を骨折していたことを明かした。行定監督は手紙の中で骨折に触れつつ、大倉が撮影に意欲的に臨んでいたこと、1シーンだけ走ることが出来なかったシーンがあったと明かした。

行定監督 コンディションが完璧じゃない状態で挑む映画には、もどかしさもあっただろうけど、撮影現場での君は「はい」、「分かりました、やってみます」の言葉しか口にせず、たんたんと役と自分を同化させ、情感に訴える表情をたくさん見せてくれた。1度だけ「明後日の走るシーン、走れません」と、情けない声で言ってきたことがあったけど、俺はそこに大倉の人間性を感じていたよ。むしろ不完全な状況で演じたからこそ、人間性が出ていたし、そこに大倉忠義の本質がないまぜになって、ニュアンスが作り上げられていた。

大倉は司会による手紙の代読が終わった後「今、何かいろいろ思い出しましたけども。多分、皆さんも思い出したんじゃないですかね、今。本当に、運が悪いと言ったらいかんですけど、いろいろ重なった時に、骨を折ったのは自分が悪いんですけど、すごい状態で本当に申し訳ないことをした」と観客に呼びかけた。その上で「1こ、僕がやっぱり走れないとなったきっかけのシーンがあった。あと、ちょっとだけ取っていたシーンがあって、いつもより速く歩くところがあって『痛ててて…』ってなって。成田(凌)君に追いつけなくて「すみません。走るって書いてますけど、ここ無理です」って。今、思い出しました」と、骨折の痛みから走れず、カットされたシーンを振り返った。

その上で、大倉は「ありがたいお言葉ですし、当時を思うと泣きそうになるんで…」と言い、天井を見上げた。その上で「目の前の、ちょと眠そうな記者を見て耐えました」と言い、笑った。