先月6日に米首都ワシントンDCにある連邦議会議事堂で起きた襲撃事件に関与したとして訴追されていた五輪競泳男子で計5つのメダルを獲得している元米国代表のクリート・ケラー被告が11日、故意かつ違法に建物の立ち入り禁止区域に侵入し、公務を妨害し、秩序を乱す行動をしたなどとして計7つの罪で起訴されたと米USAトゥデイ紙などが報じた。

襲撃事件後に公開された議事堂内を取材していた記者が撮影した動画に、五輪代表チームのジャケットを着た同被告が映り込んでいるのを複数の競泳関係者が確認していた。

同被告は、事件から9日後に自ら地元コロラド州の警察に出頭したという。動画ではマスクをせずに素顔をさらした長身の被告の姿が複数回確認できるが、暴力行為を行っている様子は映っていなかった。

ワシントン・ポスト紙によると同被告は保釈金なしで釈放されており、裁判で有罪が確定すれば禁錮15年以上の刑になる可能性があるという。

襲撃事件では警察官1人を含む5人が死亡し、140人もの警察官が負傷している。同被告の行為が警察官の負傷に直接関与したことが認められた場合は追加起訴となり、30年近くの禁錮刑になる可能性もあると伝えている。トランプ前大統領はこの襲撃事件を扇動したとして弾劾起訴され、9日から弾劾裁判が上院で始まっている。

トランプ氏の熱狂的支持者として知られる同被告は、2000年のシドニー五輪から3大会連続で五輪に出場し、04年アテネと08年北京五輪で金メダルに輝くなど5つのメダルを獲得している。(ロサンゼルス=千歳香奈子通信員)