急性リンパ腫で死去した脚本家橋田寿賀子さん(享年95)が住んでいた静岡県熱海市の斉藤栄市長が6日、コメントを発表した。同市では10日、橋田さんに名誉市民の称号を贈呈する式典を控えていた。

斉藤市長は「橋田壽賀子先生の訃報に接し、愁嘆に暮れております。これまでのご偉業に改めて敬意を表しますとともに、メディアを通じて熱海をご紹介いただきましたことなど、深く感謝いたしております。脚本家として、また、名誉市民として今後もご活躍いただきたかったところですが、大変残念であり、悲しみに堪えません」と悲しみを深さを訴えた。

そして、最後に面会したことに触れ「先生とは昨年12月16日、予てより打診しておりました名誉市民称号の授与について、ご返事いただいた際に、市役所でお目にかかった時が最後となってしまいました。その時は、いつもと変わらず陽気なご様子で、年齢を感じさせないお元気さでした。これほど早いお別れが来るとは想像もしておりませんでしたので、ただただ、ご冥福をお祈りするばかりです」と悼んだ。

市議会の今年2月定例会で名誉市民を贈呈することが全会一致で決定した際には「橋田先生が熱海に生活と執筆の居を持たれており、数々の名作をお書きになられていることに感謝申し上げます。ご功績は市の誇りです」とコメントしていた。

熱海市名誉市民の称号は、ともに故人で彫刻家の澤田政廣氏と小説家の杉本苑子氏に続き橋田さんが3人目だった。