東京オリンピック(五輪)の聖火リレーは13日、公道での走行が中止された大阪府で、代替措置となるリレーが万博記念公園(大阪府吹田市)で始まった。リレーは3月25日に福島県で始まって以降、大阪で全国10府県目となるが、感染者急増を受けた公道での開催回避は初めて。異例の聖火リレーとなった。

公園内を閉めきって一般の観客を入れずに行われ、ランナーは太陽の塔や国立民族学博物館周辺など約3キロを15区間に分けた周回コースを走った。

午前9時過ぎ、堺市出身の歌舞伎役者、片岡愛之助(49)が第1走者としてスタートを切った。大役を果たした愛之助は「トーチの重みを感じながら、いろんな思いを感じながら走りました。コロナ禍でたいへんな中、いろんな勇気をいただき、忘れられない1日になった」と振り返った。

無観客での聖火リレーとなったが「大阪もたいへんなことになっている。東京五輪・パラリンピックをやると決めた以上、そこに向かって一丸でいい形で成功させたい。そう願いながら走った」と話した。

12年ロンドン五輪の競泳女子100メートル背泳ぎで銅メダルを獲得した寺川綾さんは万博記念公園での開催に「沿道に人がいないのはさみしさもある。みんなが思う形ではなかったが、(聖火リレーが)できたという事実がすばらしいと思う」と話した。

Little Glee Monster(リトルグリーモンスター)のかれん(22)は「普段は歌でエールを届けていますが、聖火ランナーとしてみなさんにたくさんのエールを届けたかった」と笑顔で話した。落語家桂文枝(77)ら著名人を含め、100人以上が参加する。