佐藤アツヒロ(47)が15日、東京・浅草九劇で行われた舞台「楽屋-流れ去るものはやがてなつかしき-」(25日まで)の取材会に出席した。

女優たちの揺れ動く感情を描く清水邦夫の戯曲「楽屋」を、オール男性キャストで演じる。昨年1月に上演された舞台の再演で、佐藤は「一度やっている分せりふは染み込んでいるので、埋まっている気持ちを新たに発掘できる。それをつないでいくとより深い作品になると思う」と話した。

全員がトランスジェンダーの役どころで、佐藤は女優Bを演じる。つかこうへいさんの舞台「蒲田行進曲」に出演した思い出を振り返り、「つかさんに『お前は女形をやれ』と言われて、日舞を習ったんです。その時を思い出して所作を取り入れてます」。膝の間に下敷きをはさみ、落とさないよう歩く訓練をしたといい「本気で練習したので、記憶が残ってます」と感慨深げに振り返った。

新型コロナ感染対策のため、三方をビニールカーテンで覆ったセットの中で演技をする。ソーシャルディスタンスを保つ世の中について「人見知りなので楽な部分がある。そこまで無理してしゃべらなくてもいい」と本音も。芝居にじっくり向き合う時間になったようで「それが心地よかった。状況になれるのは得意なんです。10代の頃はハンパなかったので」と多忙な光GENJI時代を回想していた。

また、佐藤が同舞台の演出を手掛けることも発表された。同所で5月31日~6月13日まで上演予定で、佐藤にとっては2度目の舞台演出となる。「同じ空間だけど、メンバーと演出が変わるのでまた新しいものになると思う。挑戦できることをうれしく思います」と意気込み、「楽しいことが好きなので、大人が本気で遊びながら作っていきたい」と話した。