中村梅玉(74)中村時蔵(66)尾上菊之助(43)が、「六月博多座大歌舞伎」(6月5~19日)に出演する。昨年は新型コロナウイルス感染拡大の影響で中止になったため、2年ぶりの博多座での歌舞伎開催。観客にも役者も、待ちに待った開催となる。

昼夜2部構成で、3人はそれぞれ、昼と夜に1演目ずつ出演する。1日2演目に出演するのは、役者にとって久しぶりでうれしいようだ。歌舞伎座では現在、感染対策のため、各部の役者、スタッフを完全入れ替えしている。複数の部に出演することがない状況が長く続いている。

演目も昼夜とも見ごたえのあるものがそろった。絵師又平が魂を込めて絵に打ち込むさまを描いた「傾城反魂香」、夫婦のやりとりをユーモアたっぷりに描いた「身替座禅」、<歌詞>死んだはずだよお富さん-の歌や、切られ与三として知られる「与話情浮名横櫛」など。

心配されるのはやはり新型コロナウイルスの状況。梅玉は「たとえ客席がどんな状況であろうと、楽しんでいただけるようつとめています」とこの1年を振り返り、「一丸となって舞台を作り上げたい」と、博多座へ向け力強く語った。

公演が無事に開催されることを願いつつの取材となった。