新型コロナウイルスに関する緊急事態宣言の延長と休業要請緩和を受け、松竹は8日、「五月大歌舞伎」(東京・歌舞伎座)、「コクーン歌舞伎『夏祭浪花鑑』」(同・渋谷シアターコクーン)について12日から開催することを発表した。都内の寄席も同日から営業を再開する。

また、東宝演劇部は同日、「レ・ミゼラブル」(同・帝国劇場)の21~30日公演、「ブロードウェイと銃弾」(同・日生劇場)の12~30日公演について、すでに入場券を持っている観客に限り実施することを発表した。緊急事態宣言中の公演について販売数が定員の50%に達している回は、11日以降は入場券販売を終了する。

政府の方針に基づき東京都は、劇場については総客席数50%上限、最大5000人とする条件で開催を認める。これまで「無観客開催」を求めていたものを緩和する。歌舞伎座、シアターコクーンは当初より50%以下で販売していた。

東京・新国立劇場では、舞台「東京ゴッドファーザーズ」が12日に、オペラ「ドン・カルロ」が20日に開幕する。販売チケットが50%を超えていない公演のみ9日からチケット販売を再開し、50%に達したところで販売を終了する。

宝塚歌劇団は、上演休止中だった兵庫・宝塚大劇場、東京宝塚劇場での公演について、12日以降、順次再開すると発表した。

京都、兵庫も同じ条件で緩和するが、京都南座の「初夏の舞台体験ツアー」は中止が決定した。花道やせりなどの舞台機構を体験できる人気ツアーで20日まで予定されていた。

大阪は休業要請を緩和しない方針を示しており、大阪の天満天神繁昌亭は31日まで休館を継続する。

同じ緊急事態宣言下であっても、販売実績や都府県の要請が異なる。50%以上の観客数に販売済みのケースもあるとみられ、各劇場は対応に苦慮している。