東京・歌舞伎座「五月大歌舞伎」が12日、初日を迎えた。当初は3日初日だったが、新型コロナウイルスの緊急事態宣言が発出されたため延期になっていた。座席は1席ずつ空け(一部2席並びあり)、各部完全入れ替えの体制で臨む。

尾上菊五郎(78)は第2部「仮名手本忠臣蔵 六段目」の与市兵衛内勘平腹切の場に出演する。勘平が登場する五、六段目が一緒に上演されることが多いが、上演時間の関係で六段目のみの上演。菊五郎は「気持ちを作って、出に備えます」とコメントしている。第2部はほかに中村錦之助(61)らによる「道行旅路の花聟」も。

第1部は尾上右近(28)、中村隼人(27)、坂東巳之助(31)、中村莟玉(24)というフレッシュな役者による「三人吉三巴白浪」、尾上松緑(46)市川猿之助(45)らによる「土蜘」。菊五郎の孫で、寺島しのぶの長男寺嶋眞秀君(8)も出演している。

第3部は「八陣守護城 湖水御座船」。中村吉右衛門(76)が療養中のため、中村歌六(70)が代役をつとめる。ほかに尾上菊之助(43)らによる「春興鏡獅子」。長男尾上丑之助(7)も出演している。

28日まで。