9人組ガールズグループ、NiziUのデビュー曲「Step and a step」の、YouTubeミュージックビデオ再生回数が先月29日、1億回を突破した。公開は昨年11月24日、約半年で大台突破となった。グループ結成から1年もたっておらず、“偉業”と言っても、過言ではないだろう。

1億回突破にともない、新たに「Step and a step Dance Performance Video」が解禁された。これがまた良い。9人がヒールを履いてダンスを踊っているのだが、NiziUが何人グループか知らない人が、イヤホンだけで聞いたら、おそらく9人と答える人はいないだろう。それくらい気持ちいい。そろったヒール音しか聞こえない。

このダンスパフォーマンスだが、MV公開からアップまでの期間がこれまでとは大きく異なる。2ndシングル「Take a picture/Poppin’Shakin’」は、両曲ともMVの再生回数が3000万回を突破したタイミングで、ダンスパフォーマンスがアップされた。 「Take-」は、MVが3月29日に公開、9日後にダンスパフォーマンス。「Poppin’-」は、4月7日にMVが公開され、22日後にダンスパフォーマンスが解禁された。

これに対し「Step-」は、MV公開後、187日後にダンスパフォーマンスが公開された。1億回、3000万回の違いはあるが、日数だけで見ると、最大で178日もの違いがある。

同曲はプロデューサーのJ.Y.Park氏が、デビューメンバーを決まるオーディション課程で、さまざまなプレッシャーと戦ってきたメンバーに対し、伝えたい言葉を込めた楽曲。「もうサバイバルは終わっているから、平穏な気持ちで一歩ずつ、ゆっくり、自分たちの歩幅で歩いていって欲しい」というメッセージが込められている。

どんなアーティストにとっても、デビュー曲は大切な曲だ。NiziUはデビュー時、MIIHI(16)が休養中で9人でパフォーマンスすることができなかった。MVのダンスシーンにも、MIIHIは参加していない。そのため、9人でのデビュー曲パフォーマンスは、より一層“特別感”が加わる。

「Take-」「Poppin’-」のダンスパフォーマンスは、両A面シングルということもあり両曲、体育館のような場所で撮影。衣装は「Take-」は、黒でクールにかっこよく。「Poppin’-」は、白でかわいくかっこよく、そろいもそろったダンスを見せている。両曲、MVとは全く違ったシンプルな衣装だ。

一方、今回の「Step-」は“わざわざ”MVの最後の場面の衣装を着用した。187日や、ここに、デビュー曲の特別な思いがあるのではと感じた。

「Step-」のMVの最後は、MAYA(19)とMIIHIが手をつなぎ、ドアの外の世界へと一緒に歩みを進める。そこに他の7人が待っており、最後は9人で一列になり、歩いていく。この最後は、ドレスのような衣装。1月1日のTBS系音楽特番「CDTVライブ! ライブ! 年越しスペシャル2020→2021」でも着用していた。この番組で、この衣装で、NiziUはデビュー曲を初めて9人で披露した。

そして、今回のダンスパフォーマンスでも、この衣装。ジャージーなどで撮っても良かったところを、足に負担がかかる、ヒールを履くこの衣装で届けた。ここに9人の思いを感じた。

MIIHIが休養中、リーダーのMAKO(20)は番組に出演する際、いつも「MIIHIの分まで頑張ります!」と、意気込んでいた。わざわざ言葉に出すと、休養中のメンバーがいるという“お知らせ”にもなりかねないが、それでもこのグループは「9人」に強いこだわりを持っていた。187日には、いろんな物語が詰まっている。

「Step-」のジャケット撮影のメイキングで、RIO(19)は「今までと違いすぎて、なんか自分たちの成長を感じない? 」とメンバーと話していた。申し訳ないが、デビューから半年たった今も、筆者は彼女たちの活躍や成長スピードについて行くのに必死だ。毎回、そのパフォーマンス、顔つきの変化に驚かされている。

12月2日のNiziUのデビューとほぼ同時に、芸能記者デビューした筆者にとっても、この曲は勝手に大切な曲になっている。そしてコラム担当となった今日は、6月2日。この日に順番が巡ってきてコラムが書けた、何かの縁に感謝したい。【佐藤勝亮】