日本の演劇の聖地として57年の伝統を誇る、東京・新宿の紀伊国屋ホールのこけら落とし公演を前に、9日、同所で舞台「新・熱海殺人事件」(10~21日、同所)「改竄・熱海殺人事件 モンテカルロ・イリュージョン 復讐のアバンチュール」(24~27日、同所)の舞台あいさつが行われた。

今年1月末から、耐震補強工事と内装一新のため改修に入っており、10日から「新装紀伊国屋ホール」がスタートする。同ホールで最も上演されている、つかこうへいさん作の「熱海殺人事件」シリーズ2作で開幕するが、「新-」で主演の荒井敦史(28)は「こけら落としを、歴史ある作品でやらせてもらえるのは光栄です」。

さらに新しくなったホールに「きれいになったなと思います。楽屋の床がミシミシ言わなくなりました」と笑わせつつ「オールドファンの皆さんにも喜んでもらえるように、そして若い世代に伝わるように頑張ります」と気を引き締めていた。

またこの日は、井上ひさしさん、つかこうへいさんの「リトグラフ」除幕式も行われた。劇場ロビーに、2人のリトグラフが掲出され、つかさんの長女で、女優の愛原実花(35)は「父が愛している劇場にこうして飾られてうれしいです」。井上さんの三女で、「こまつ座」代表の井上麻矢氏は「幽霊が出るなんて言いますが、つか先生も井上も、きれいになったホールを見守っていると思います」と感慨深げに話した。