アニメ映画「シン・エヴァンゲリオン劇場版」(庵野秀明総監督)配給の東映は11日、同日から最後の劇場用ポスターとなる公開中ポスター2が掲出されたと発表した。前回のポスターで描かれた14人のキャラクターたちが夕日に包まれ、入る言葉も「さらば、全てのエヴァンゲリオン」から「さようなら、全てのエヴァンゲリオン」に変わった。公開表記も「終映迫る」となり、まさにラストランを象徴するビジュアルとなった。

12日からは、映画本編映像のさらなる調整を進め、カットの差し替えを行った新バージョン「EVANGELION:3.0+1.01」を上映するが、ポスター2の英字タイトルも新バージョン「EVANGELION:3.0+1.01」の表記となった。差し替えはあくまでカットごとの細かな修正等で、ストーリー等の変化があるものではない。またドルビーシネマやIMAX、4D上映は公開当初からの「EVANGELION3.0+1.0」バージョンでの上映となる。

また12日からは、全国の上映館で100万人に入場者プレゼントとして「公式謹製36P冊子『EVA-EXTRA-EXTRA』(A4)」を配布する。製作に参加したクリエーターたちが再集結し、作り上げたA4サイズ、36ページの冊子。これまで語られることのなかった「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q」前日譚が描かれた漫画「EVANGELION:3.0(-120min.)」をはじめ、クリエーターたちの愛があふれた描き下ろし寄稿が満載のファン必携の1冊となる。漫画は企画・原作・監修を庵野秀明総監督(60)脚本・監督と鶴巻和哉監督、漫画は松原秀典氏と前田真宏氏が担当。描き下ろし寄稿は浅野直之、井関修一、金世俊、田中将賀、新井浩一、錦織敦史、前田真宏、鶴巻和哉、松井祐亮(カラーデジタル部)、岩里昌則(カラーデジタル部)の各氏が担当。庵野氏も特別寄稿した。

「公式謹製36P冊子『EVA-EXTRA-EXTRA』(A4)」と12日以降の日付の映画半券を一緒に撮影して、ハッシュタグ「#シンエヴァの薄い本」をつけ、自身のTwitterおよびInstagramに画像を投稿するだけで、抽選で合計100人に公開中ポスター2(B2サイズ)をプレゼントするSNSキャンペーンも12日にスタートする。

「シン・エヴァンゲリオン劇場版」は5日までに興行収入86億5000万円、動員数567万人超(公開初日の3月8日から90日間合計)を記録。5月6日には興行収入82億8229万8700円を記録し、庵野総監督が同じく脚本・総監督をつとめた16年「シン・ゴジラ」の興収82億500万円を超え、同総監督の作品の中で最高興収記録を更新した。

当初、20年6月27日に公開予定だったが、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で同年4月に公開延期を発表。同10月に今年1月23日の公開を発表したが、緊急事態宣言の再発出を受けて同14日に再延期を発表と、2度の公開延期を余儀なくされていたが、2月26日に公開日を3月8日に決定。公開翌日の9日には、製作のアニメ制作会社「カラー」が公式ツイッターで、初日の興行収入(興収)が8億277万4200円、動員53万9623人と発表。「異例の月曜公開となりましたが、お陰様で多くの方に足を運んでいただき、非常に良いスタートを切ることができました。皆様には感染対策などお願いばかりで恐縮ですが、本当にありがとうございます」と感謝のコメントを発表した。

封切り後、初の週末となった13、14日2日間の成績は興収11億7744万5400円、動員76万人を記録。8日の公開初日からの7日間で、興行収入(興収)33億3842万2400円、観客動員219万4533人を記録し「エヴァンゲリオン新劇場版:Q」との興収対比145・1%、動員対比133・6%と好スタートを切った。同29日、27日、28日の2日間で興行収入(興収)5億2801万7500円、動員32万9999人を記録し、8日の封切りから21日間で興収60億7821万1750円、動員396万1480人を記録。興収53億円、動員382万人を記録した12年の前作「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q」を超え興収、動員ともにシリーズ最高記録を更新した。

4月11日に東京・新宿バルト9で開催された舞台あいさつには、庵野総監督、鶴巻和哉、前田真宏両監督、碇シンジ役の声優緒方恵美が登壇。「エヴァンゲリオン」シリーズ史上初の監督陣の舞台あいさつに加え、今後も予定されていないことから“最初で最後”の監督陣舞台あいさつということから、登壇する新宿バルト9のシアター9は約3分で完売した。同総監督は「スタッフの代表として、みなさまにお礼を言う最後のチャンスかな、と思って出ることにしました」「こういったニッチな(分野の)ロボットアニメで100億を目指せるというのはありがたいこと」と、シリーズ最高の記録を支えてくれたファンに感謝した。

それを受けて、SNS上では、「庵野秀明を100億の男へ」、「碇シンジを100億の男へ」との声が盛り上がっている。