佐藤健(32)と神木隆之介(28)が12日、東京・丸の内ピカデリーで行われた主演映画「るろうに剣心 最終章 The Final」(大友啓史監督)大ヒット舞台あいさつで、ともに4月1日から新事務所「Co-LaVo(コラボ)」で新たなスタートを切って以来、公の場で初めて2ショットで語り合った。

佐藤と神木は3月末日で、それぞれ15年、16年在籍した前所属事務所アミューズとの契約を満了、退所し、同社で取締役を務めていた千葉伸大氏が代表を務める株式会社Co-LaVo(コラボ)に所属している。

先に佐藤が登壇すると、その6分後に神木が登壇。神木は日本テレビ系で放送中のドラマ「コントが始まる」で演じるお笑いトリオ「マクベス」の朝吹瞬太の役のままの金髪だった。神木は「おめでとうございます」と言い、佐藤に真っ赤な花束を渡した上で「神木と申します。健先生には、お渡ししましたが、監督には後ほど、お届けします」とリモートで参加した大友啓史監督(55)に呼び掛けた。

神木は「(シリーズ10年を)お祝いしたいと思い、花束を持ってきました。健さん、本当にお疲れさまでした…大きいものを背負って。お客さんとして、大きいものを背負っていると尊敬の念を持っていた」と佐藤をねぎらった。佐藤も「神木さん、粋なことをありがとうございます。お忙しいところを」と感謝した。

佐藤と神木は、11年に製作がスタートし、12年に第1作が公開された「るろうに剣心」シリーズの続編として14年8、9月に連続公開された「-京都大火編」「-伝説の最期編」で共演した。佐藤は劇中で伝説の剣客「人斬り抜刀斎」こと緋村剣心を、神木は剣心の宿敵・志々雄真実(藤原竜也)率いる最強の特攻部隊“十本刀”の筆頭瀬田宗次郎を演じ、2人の死闘はシリーズ屈指の名シーンとなった。

神木は11年に「るろうに剣心」の撮影が始まった際、そのことを知らず、続編で演じることになる宗次郎が表紙の漫画を読んでいたと明かした。

「1の撮影が始まった時、作られると知らなくて、宗次郎が表紙の漫画を持っていて『格好良い…実写化しませんかね?』と言って(関係者から)『健、撮ってるよ』と言われた」

その後「続きとかあったらと思って『勝手に役作りしてますね』と言って、木刀買って、一生懸命、振っていた、勝手に役作りしていたくらい、一目ぼれした」と、役作りまで勝手にするほど宗次郎役を熱望していたと明かした。佐藤にも練習を見せたと言い「健君に見せて『フフッ』と言われた。まさか…出させていただき、本当に幸せ」と笑みを浮かべた。

佐藤は「(役作りを)勝手に始められると困る…ごまかしてた」と当時、宗次郎が登場する続編の製作が決まっていたのを知っていたと明かした。神木が「知ってたの?」と聞くと、佐藤は「続編やって、宗次郎が出てくると知っていて、隆(神木)に正式にオファーがいって胸をなで下ろした」と振り返った。大友監督も「神木君が役作りをしていたのは知れ渡っていた」と笑いながら振り返った。

その神木演じる宗次郎が「-The Final」に再登場したことが、5月14日に映画の公式ツイッターで明らかにされた際は、ファンの間で大きな話題となった。神木は「(続編2本の出演で)出し切って、殺陣もお芝居も健君と向き合えた。でも…宗次郎が好きすぎて『もう刀、触ることないんだ』と生きていた。いつか、またやらせてもらう機会がないかと渋谷のスクランブル交差点を歩いた」と再出演が宿願だったと明かした。

佐藤は「決して出演時間は、長いわけじゃない。撮影日数は3日…とは思えないくらいの貢献を、この映画にしてくれた。感謝」と神木に感謝した。神木も「健くんに認められる宗次郎を演じなきゃと思った。プレッシャーではなく、楽しかった」と笑みを浮かべた。

シリーズ完結編となった「-最終章 The Final/The Beginning」の撮影は18年11月にクランクインし、19年5月にクランクアップした。新型コロナウイルスの感染拡大を受け、20年5月27日に公開の1年延期が決定し「-The Final」は今年4月23日、「-The Beginning」は4日に決まったが、4月25日に3度目の緊急事態宣言が発出され東京、大阪の映画館は休業したため「-The Final」は全国で見られない状態となっていた。

ただ6月1日以降、東京と大阪で映画館への休業要請は緩和され、「-The Final」は上映を再開し「-The Beginning」も予定通り4日に封切られた。「-The Beginning」は、4日の封切りから3日間で興行収入(興収)5億807万2400円、動員35万199人を記録し、週末の全国興収ランキング1位となった。2作同時公開中の「-The Final」も同2位に入り、週末の全国興収ランキングで日本映画史上初の1、2位を独占。12日までの興収は2作合わせて44億円に上った。

この日の舞台あいさつは、全国315劇場に生配信された。