ヨットでの太平洋無寄港単独横断に挑戦していたキャスター辛坊治郎氏（65）が16日午後5時52分（日本時間17日午前9時52分）、米サンディエゴの入国桟橋に着岸し、ゴールした。

13年のチャレンジ失敗からの再挑戦。「この8年間、ずっと漂流を続けていた気持ち。やっと今日で漂流が終わった」と、声を弾ませ喜びを語った。

ゴール後の第一声は、ニッポン放送「高田文夫のラジオビバリー昼ズ」内で生中継された。

4月9日の出港から70日でのゴール。サンディエゴ在住の日本人らから拍手で迎えられた辛坊氏は「いやー、着きました。70日かかりました」と晴れ晴れとあいさつ。出港5日後にヨットがクジラと衝突して沈没し、海上自衛隊に救助された前回の失敗を振り返り「生かされていることに、ありがとうございます」と話した。

現地では、前回の挑戦の相棒だった全盲のヨットマン、岩本光弘氏も出迎えた。岩本氏は「ずっと再チャレンジを続けてくれたことに感謝。心の底から僕の太平洋横断を喜べる」と涙声で祝福した。

「ビバリー昼ズ」の清水ミチコとナイツから「今したいことは」と聞かれると「船の修理」と即答。「ボロボロなんですよ。マストを支えるワイヤが左右2本外れている」「死にかけました」と、70日間の激闘をにじませた。「孤独ではなかったか」との質問には「1人で孤独なことはない。引きこもりの人も孤独じゃない」と語った。