米歌手ブリトニー・スピアーズ(39)が23日、精神破綻を理由に2008年から13年近く続く自身への成年後見制度に関する審理にリモートで出席し、「自分の人生を取り戻したい」と後見の解除を訴えたことに、ファンのみならず多くの著名人からも支持の声が上がっている。

薬物依存症の治療施設への入退院を繰り返し、精神科で入院治療も受けたことなどを理由に父親のジェイミー氏が「娘の健康と資産を守るため」としてロサンゼルス郡上級裁判所に後見制度の適用を申し立てて認められて以降、スピアーズの資産や治療、日常生活などを父親が管理してきた。

スピアーズは審理で、芸能活動やメンタルヘルスの治療を(父親に)強要され、プライバシーは与えられず、子宮内避妊具の装着を強要させられて妊娠もできないと赤裸々に語り、奴隷のような生活から解放されたいと訴えた。

スピアーズの証言は大きな反響を呼び、1999年から3年ほど交際していた元恋人で歌手のジャスティン・ティンバーレイクは、「今日私たちがみたことを踏まえ、今はブリトニーを応援すべきだ。過去とか、いいとか悪いとか、どれだけ前のことだとか関係ない。彼女の身の上に起きていることは正しいことではない」とツイート。妻で女優のジェシカ・ビールと自分は「愛と絶対的な応援を贈る」と全面支持を表明した。

一方、歌手マライア・キャリーは「私たちはブリトニーを愛しているわ。強くいて」とツイート。ホールジーも「この虐待的な状況から自由になれることを願っています。今日、あの場で自分自身の言葉で語った勇気を称賛します」と投稿して支持を表明。タレントのクロエ・カーダシアンも「誰もこのように扱われるべきではない」と#FreeBritney(ブリトニーを自由に)のハッシュタグをつけてツイートしている。

07年に離婚した前夫でダンサーのケビン・フェダーラインとの間に2人の息子がいるスピアーズは、16年から交際しているダンサー兼トレーナーのサム・アスガリとの再婚を望んでおり、2人の間の子供も作りたいと考えているといい、後見制度からの解放でそうした本来誰もが手にできるはずの自由を取り戻したいと切に願っているようだ。(ロサンゼルス=千歳香奈子)