ジャニーズ事務所の藤島メリー泰子(ふじしま・めりー・やすこ)名誉会長が今月14日午前、都内の病院で、肺炎のため93歳で死去した。17日、同事務所が発表した。19年に死去した弟のジャニー喜多川氏(享年87)とともに、1962年の創業からジャニーズ帝国を支えた“女帝”だ。現在は娘の藤島ジュリー景子氏(54)が代表取締役社長を務めており、同事務所は本格的に新体制へと移行していく。

   ◇   ◇   ◇

昨年9月にメリー氏が代表取締役から退き、既にジャニーズ事務所の新体制は始動している。娘で社長のジュリー氏を筆頭に、ジャニー氏からジャニーズJr.や若手メンバーの育成・プロデュースを引き継いだ滝沢秀明副社長(39)と、後輩タレントからの手本となる“長男”の東山紀之(54)が中心となって新たなジャニーズ帝国を率いる。

メリー氏はテレビ局はじめ、“女帝”として常に各メディアに向けて目を光らせていた。基本的には裏方に専念していたが、15年1月に「週刊文春」取材の場で、SMAP担当の女性マネジャー(当時)を「事務所をおやめなさい」などと叱責(しっせき)したことが報じられ、広く存在が知られるところになった。事務所内外問わず影響力は絶対的だった。

生前メリー氏は「ジャニーは人がいいから“悪人”にはなれないの。その分は私がやります」と嫌われ役に徹していたという。業界各所からも恐れられる存在。ジャニーズ事務所が失ったものは非常に大きい。

経営面の実権をメリー氏から引き継いだジュリー氏は、若手ベテラン問わずタレントプロデュースにも精を出している。今後は滝沢副社長や東山はじめ周囲のスタッフとも協力しながら、新時代の“ジュリー流”で事務所を導いていきそうだ。【横山慧】