映画「ドライブ・マイ・カー」(濱口竜介監督、20日公開)公式サイトは19日、翌20日に都内で行われる初日舞台あいさつに登壇予定だった三浦透子(24)が、16日に新型コロナウイルス感染者との濃厚接触の疑いが生じたため、PCR検査の結果は陰性だったが安全を考慮して欠席すると発表した。また霧島れいか(49)も、17日に濃厚接触者との接触があったため、安全を考慮して欠席する。

「ドライブ・マイ・カー」は、作家の村上春樹氏(72)が13年11月発売の「文芸春秋」12月号に発表した短編で、同誌14年3月号まで連続で掲載した「女のいない男たち」と題した連作の第1弾。14年の短編小説集「女のいない男たち」(文春文庫刊)に収められており、濱口監督は同作に加え「女のいない男たち」に収録された6編の短編の中から「シェエラザード」「木野」のエピソードも投影し、脚本を作り上げた。

物語は、主演の西島秀俊(50)演じる舞台俳優で演出家の家福(かふく)悠介が満ち足りた日々を送る中、霧島演じる脚本家の妻音が、ある秘密を残したまま突然この世からいなくなってしまう。その2年後、喪失感を抱えたまま生きる家福は、演劇祭の演出で向かった広島で、三浦演じる寡黙な専属ドライバー渡利みさきと出会い、1度は拒否するも受け入れ、ともに過ごす中で、それまで目を背けていた、あることに気づかされていく心情を描く。音と深い関係があり、物語を大きく動かす俳優高槻耕史を岡田将生(31)が演じた。

「ドライブ・マイ・カー」は、カンヌ映画祭で日本映画史上初の脚本賞を受賞。濱口監督は「偶然と想像」でベルリン映画祭審査員大賞(銀熊賞)も受賞しており、世界3大映画祭で2冠を獲得しただけでなく、20年のベネチア映画祭で銀獅子賞(監督賞)を受賞した恩師・黒沢監督の「スパイの妻」で企画と脚本を担当している。