米歌手で女優のベット・ミドラー(75)が、米南部テキサス州で1日に妊娠6週目以降の人工妊娠中絶を禁止する法律が執行されたことを受け、SNSで「セックス・ストライキ」を呼びかけた。

「議会によって選択する権利が保障されるまで、すべての女性が男性とのセックスを拒否すべき」とツイートし、新法に抗議するため女性たちにセックスを控えようと訴えた。

胎児の心音が確認される妊娠6週目以降の中絶を禁止する通称ハートビート法と呼ばれる厳格な中絶禁止法を巡っては、多くの妊婦が妊娠を自覚する前であることや、レイプや近親相姦(そうかん)の被害者であっても中絶が認められないことなどから、歌手ビリー・アイリッシュやピンクら著名人も抗議の声を上げている。アイリッシュは「うんざりする。女性の権利に関して、男性が何も言わないことに気分が悪くなる」とインスタグラムのストーリーで述べていた。

新法では中絶を助けたり、そそのかしたりした人を無関係の個人が民事で訴えることもできるため、中絶処置を行うために医療機関に向かう女性をたまたま乗せたタクシーなどの運転手もその対象となりえることから企業からも抗議の声が上がっている。(ロサンゼルス=千歳香奈子)