歌手野口五郎(65)が10日、東京・渋谷のBunkamuraオーチャードホールで50周年特別公演を行い、岩崎宏美(62)がサプライズ出演した。

野口は71年、岩崎は75年にデビュー。70~80年代のアイドル・歌謡曲シーンをけん引し、87年からミュージカル「レ・ミゼラブル」の日本初演で共演した2人だが、意外にもコンサートのステージ共演は初めてだ。デュエット曲「好きだなんて言えなかった」(11月24日発売)で初コラボが決まり、初披露。実力派の2人が歌う大人なバラード曲に、会場から大きな拍手が送られた。

出会いは“最悪”だった。デビュー当時、番組前にくせで足を組んでいた岩崎を野口が「女の子が足を組んだら…」と注意したのが初対面。野口は野口で、岩崎が年上の歌手とばかりデュエットしていたことから「勝手に共演NGだと思っていた」という。レミゼで共演の際に、岩崎は野口を「ゴロリン」と呼ぶなど“不仲”ではなかったが、不思議とコラボはなかった。

昨年10月、BS日テレ「今宵☆jazzyに」で共演。野口は「自然と打ち合わせからうまい具合にできて、キーも同じ。自然な流れで」デュエット曲の制作が決まった。野口は108曲、岩崎は74曲と故筒美京平さん作品が多いなど共通項も多く、11月からコラボで開催する「プレミアムコンサート」(3都市3公演)の曲選びも、岩崎によると「あっという間に。ツーカーだったんだって」と、実は息もピッタリだ。野口は「こういうご時世だからこそ、2人でエネルギーを届けたい」。3つの時代を走ってきた“ゴロリン&ヒロリン”が、日本に元気を与える。【大友陽平】