第69回菊池寛賞が11日、発表され、小川洋子氏、仲代達矢(88)高知新聞社追跡・白いダイヤ取材班、松岡和子氏、吉岡秀人氏が受賞した。

同賞は、文藝春秋創業者・菊池寛が日本文化の各方面にのこした功績を記念するための賞として創設された。文学、演劇、映画、新聞、放送、雑誌・出版など広く文化活動一般の分野において、その年度に最も清新かつ創造的な業績を上げた人・団体、もしくは永年にわたり多大な貢献をした人・団体に贈られる。正賞として置き時計、副賞として賞金100万円が贈呈される。

「妊娠カレンダー」「博士の愛した数式」などで知られる小川氏は、三十余年におよぶ文業を通して、美しさに満ちた独自の作品世界を構築したことが評価された。

仲代は、幾多の演劇・映画に出演したほか、後進の育成に尽力している。

高知新聞社追跡・白いダイヤ取材班は、16年から、高知県内のシラスウナギ集荷人事務所に火炎瓶が投げ込まれたことをきっかけに、ウナギを巡る密漁や闇取引の実態を5年にわたって取材した。

松岡氏は、日本で3人目となるシェークスピアの戯曲全37作の個人全訳を本年完結させた。

吉岡氏はミャンマー、カンボジア、ラオスなど、まだ医療が行き届いていないアジアの貧困地域で、25年以上にわたり無償の医療支援を行っている。