12月にロシアの宇宙船ソユーズに搭乗し、日本人初の民間人宇宙飛行士として国際宇宙ステーション(ISS)に渡航する、ZOZO創業者でスタートトゥデイ社長の前澤友作氏(45)が14日、ロシアの首都モスクワ郊外スターシティの、ガガーリン宇宙飛行士訓練センターで、メディア向けに宇宙飛行士訓練の様子を初公開した。

訓練後、会見を開いた前澤氏は「56、57日後に打ち上げ。日が迫るごとにワクワクするばかりです。怖さだったり不安は、今のところありません」と笑みを浮かべた。

前澤氏は、12月8日にカザフスタンのバイコヌール宇宙基地から打ち上げられるソユーズでISSに渡航し、12日間滞在する予定。今回、ISSに向かう目的は、米宇宙ベンチャー「スペースX」と契約し、23年に予定する民間人初の月周回飛行を計画している宇宙プロジェクト「dearMoon」を行う。その案内人として、自身が一足先に宇宙を訪れることで、同乗するクルーの期待や安心感を、より高めるという狙いからだ。

宇宙飛行士訓練に入るための試験に合格した前澤氏は、5月13日に宇宙飛行士としての訓練を開始すると発表し、6月中旬からガガーリン宇宙飛行士訓練センターをベースに、約100日間に及ぶ訓練を行っている。ISS渡航に同行するのは、操縦士のアレクサンダー・ミシュルキン宇宙飛行士(44=ロシア空軍少佐)と、前澤YouTubeチャンネルの撮影を担当し、ISS滞在の様子を撮影する、前澤氏の関連会社役員の平野陽三氏(36)で、この日の会見にも出席した。

前澤氏は「ミシュルキンの手厚いサポートと、ソユーズの極めて高い安全性。訓練は数カ月させてもらって、日々、続いていますが全ての訓練が楽しいです」と笑みを浮かべた。一方で、メディアに初公開した、この日の訓練が「1番、大変だった」という。「宇宙服を着るだけで暑くなったのに、マスクを着けたので、さらに暑くなった。でも、楽しかった」と語った。

前澤氏の発表によると、民間人のISS搭乗宇宙飛行士は日本人としては初めてで、世界でも10人目。日本人の商業宇宙飛行としては、秋山豊寛氏以来31年ぶり2人目という。前澤氏は「大きな責任を感じています。ISSはロシアをはじめ15カ国の協力で作られたもの。いろいろな人の技術の結晶、関わる人への感謝の気持ちを忘れず、無事に帰ってきたいと思う。民間人初は本当に光栄」と語った。