米動画配信大手ネットフリックスが配信して世界中で一大ブームを巻き起こしている韓国ドラマ「イカゲーム」をめぐり、31日のハロウィーンを前に米ニューヨーク州の複数の小学校で「いじめの助長」や「暴力的描写」への懸念から、ドラマの衣装を連想させる仮装を禁止したことが明らかになった。

「イカゲーム」は、巨額の賞金をかけて命がけのゲームに参加した人たちが死闘を繰り広げる物語で、9月17日に配信がスタートするやいなや大ヒットとなり、ネットフリックス史上最高の視聴者数を記録している。米国内でも社会現象になっており、ドラマの出演者たちが着用する緑のジャージーやピンクのジャンプスーツが今年のハロウィーンのコスチュームとして注目されている。

4000万ドルの賞金をかけて大人たちが子供向けのゲームに挑戦するが、負けは死を意味し、銃を使った殺害シーンなど暴力的な描写も多いことからネットフリックスは16歳以上の視聴者を対象としている。

米メディアによると、少なくとも3つの小学校で校長が保護者に対して「イカゲーム」を連想させるコスチュームの着用を禁止することを告げるとともに、暴力的であることを理由に休み時間に子供たちが「イカゲーム」ごっこをして遊んだり、生徒同士でドラマについて話題にすることも不適切であると警告したという。

米国ではハロウィーン当日は、多くの学校で生徒が仮装して登校することが認められているが、玩具の銃など武器をほうふつさせる小道具や過激すぎる衣装の着用はガイドラインで禁じられている。

「イカゲーム」は世界90カ国以上で配信されている。英国では、複数の小学校で幼い子供が視聴しないよう設定の確認をするよう学校から保護者に注意喚起があったとBBCテレビが伝えている。また、ベルギーでも休み時間に子供同士がイカゲームで遊んで負けた子供が殴られる事案も起きており、欧州の一部の学校でもコスプレを禁止しているという。米プロバスケットボール(NBA)ロサンゼルス・レイカーズのスーパースター、レブロン・ジェームズはSNSで「結末は好きじゃない」と感想を語る動画を投稿しており、米国内でも賛否両論を巻き起こしている。(ロサンゼルス=千歳香奈子)