日本の映画界をけん引してきた堤幸彦監督(66)本広克行監督(56)佐藤祐市監督(59)の3人が共同で製作指揮をとる新プロジェクト「スーパーサピエンス」の会見が19日、都内で行われた。

今回は、3人に共通していた「自分たちは本当に作りたいものを作れているのか」という思いからスタート。新しい企画を持ち込んでも、資金、脚本、キャスティング、配給を聞かれるのが現状。結局は製作委員会方式がはびこり、自分らの作りたいものが作れないジレンマを抱えるようになったという。森谷雄プロデューサーは「新しいエンタメの仕組みを作りたい。誰もが参加できる、原作づくりから映像化に至る全プロセスを一気通貫に挑みます。日本版マーベルと言っていいと思います」と説明。堤監督も「いろんな形でコンテンツをお届けしたい。わくわく楽しんでもらいたい」と話した。

まずは、3監督で話し合い、大きなストーリーの幹を作成する。映像コンテンツの足掛かりとなる絵コンテを、縦スクロール型のオールカラー電子コミックであるウエブトゥーンで作るという。

資金は、いわゆるクラウドファンディングで集める。株式会社フィナンシェのトークン発行型ファンディングと共創型コミュニティーを活用したエンタメDAO(自立分散型組織)に挑むという。

簡単に説明すると、これまでは映画やドラマを見てファンとして応援していたが、SNSではフォロワーとなって応援できるように。今回は、クリエーターはトークンを販売してその収益を得て、購入者はトークンを得る。そのトークンで、映像化の際のキャスティング投票に参加できる可能性があるほか、その映像がヒットしてトークンの価値が上がれば、購入者も利益を得られるシステムだ。

いわば、デビュー前のタレントのトークンを買い、そのタレントを応援して、人気が出れば、最初からトークンを購入していたファンほど、利益が得られるという形だ。

一般のファン代表として会見に登場したタレントみちょぱ(23)は「おじさんたちの熱気やアツがすごい。話は難しかったけど、すごいことに立ち会わせてもらった」と話した。