乃木坂46岩本蓮加(18)が10日、都内で、初主演映画「世の中にたえて桜のなかりせば」(三宅伸行監督、4月1日公開)の完成披露舞台あいさつに出席した。ダブル主演となる約70歳差の大ベテラン俳優宝田明(87)や、主題歌「蒼空」を歌うボーカルユニット「all at once」らとともに登壇した。

さまざまな境遇の終活を手助けするうちに自分の生き方と向き合いはじめるヒューマンドラマ。岩本は「終活アドバイザー」のバイトをする不登校の女子高生、咲を演じる。この日は劇中の衣装で登場し、「今日は楽しんでいただけたらと思っています。よろしくお願いいたします」とあいさつした。

車いすに乗って宝田は、まず「新人の、宝田明でございます」とおどけてみせた。「私ごとで恐縮でございますが、去年のちょうど春、この撮影を終わりまして。1年たって、今日を迎えましたが、仕事で腰痛をずっと患っておりまして、ここのところ痛みが激しくなりまして。今日は車いすで登場ということで、まずはこの非礼をまずお許し下さればと思います」と伝えた。「今日はこれから約5時間半にわたってあいさつをしていくということで、皆さん覚悟していただければと思います」とジョークを飛ばし、笑いを誘った。

完成披露を迎え、岩本は「いよいよ始まるんだという実感があります。ほとんど演技未経験の状態で撮影に入ったので、ちゃんと最後まで乗り切れるかなと不安があったんですけど、上映が近づいて、ファンの方々や周りのみんなから『楽しみにしているよ』って言ってもらえてワクワクしていますし、皆さんの感想を聞けるのが楽しみです」と笑顔を見せた。

映画初出演での初主演。「プレッシャーはすごくありました」と明かした。「最初お話をいただいた時、映画というだけですごく衝撃だったのに、まさか主演をやらせていただけるとは思っていなかったので。演技に対してすごく興味がありますし、好きなんですけど、自信は全然ないので、大丈夫かなと思いました」と振り返りつつ、「乃木坂46っていう看板を背負って、恥じないようにはできたかなって思います」とアピールした。

岩本について、宝田は「相手役が(撮影時)17歳。私はもう、米寿、88歳に近づいておりまして。こんな年の差がある者と共演するのは初めてでございますので、なんとなく胸騒ぎがあったんですが、いざ現場に入ると、なんと度胸のある子なんだ、と思いました」と明かした。

さらに「普通なら初めての映画出演でおどおどするもんですけど、そんなことは決してなくて。まるで10年選手のように振る舞っていらっしゃる。テストもそうなんですけど、いざ本番になるとNGを出したことがない。大変な小娘でございます」と手放しで称賛した。「大女優の片りんというのは、そうなんですね。今の人は、すぐにモニターのところに走って行って見て、戻ってきたりするんですが、(岩本は)カットがかかっても、ずっとその場に立っている。そういった意味で大変お行儀のいい。つくづく感心して見ておりました」と褒めちぎった。

岩本は「ありがとうございます。こんな褒め言葉いただいて、いいんですかね」と照れ笑いした。「いつも演技終わった後、すごく褒めていただくんです。大御所の方に褒めていただく機会なんてないので、自信につながります」と感謝した。

宝田はあらためて、「私からしたら、孫みたいな年ですからね。実に堂々として、しっかりしていらっしゃるので、これは将来立派な女優さんになるなって。これから楽しみだなって思いました」と伝え、「もっと社会性のある映画も撮らなきゃな、って思います。蓮加さんとも、来年もう1本仕事がしたいな、って気持ちでいます。ぜひご期待ください」と意欲を見せた。岩本は「ありがとうございます」と笑顔で頭を下げていた。