劇団EXILE青柳翔(36)、元AKB48で女優の横山由依(29)らが出演する舞台「三十郎大活劇」(東京・新国立劇場中劇場)が、17日に東京公演の千秋楽を迎える。

脚本を鈴木聡氏、演出をラサール石井が手掛けるエンターテインメント時代劇。青柳が演じるのは、日本映画界の黄金期に映画を愛し、一夜にして活劇スターへと駆け上がった紅三十郎だ。これまでドラマ、映画、そして舞台でもさまざまな役柄を演じてきた青柳だが、時代に翻弄(ほんろう)されながらも、武骨に、そして愚直に役にのめり込む“役者バカ”な三十郎を見事に演じている。

今月1日に行われた取材会でも「これからさらにステップアップしていきたい」と話していた。さまざまな年齢層、そして俳優、芸人、アイドル界から集ったキャストでの上演に“異種格闘技戦のよう”とも話すが、コミカルなシーンも含めて、さまざまな個性が光る板の上でも、主演としての存在感はさらに増しているように見えた。

昨年12月にAKB48を卒業後、初の舞台出演となった横山は、そんな三十郎を支える芸者「おやつ」を演じている。初の芸者役で「お着物での所作、歩き方などを教えていただきながらお稽古で作っていくのが楽しかったです!」。演出のラサールからも「どんどん色っぽくなっていっている。歩く後ろ姿なんか、とても良い感じ」と称賛されるなど、さまになってきた。

これまでの出演舞台では、赤堀雅秋氏や根本宗子氏ら、個性豊かな演出家とも出会いながら、役者としても一作品ごとに、成長を感じさせる。今回の出演も「時代に翻弄(ほんろう)されながらも生きる登場人物たちが、それぞれ自分の生き方をどう考えて、どう選択をするのか。とても勉強になりました」と話しており、吸収力も抜群だ。

劇中では、反戦を伝えるようなメッセージ性のあるシーンも、「映画」にかけた人たちとの描写で描かれる時代は変わっても、変わらない思いがある。横山も取材会で「自由に表現ができているということのありがたさを、あらためて感じています。今こうして自由に表現ができている時に、自分が思いを乗せて演じたりとか、伝えたりとか、言葉にするってことはすごく大切だと思います」と思いを込めた。さらに「歌、踊りもありますし、コメディーやファンタジー要素もあります。今、見ていただきたい作品。劇場でお待ちしています!」と話している。

同公演は今月23~24日には、大阪・COOL JAPAN PARK OSAKA WWホールでも上演される。【大友陽平】