俳優内野聖陽(53)が22日、大阪市内で主演舞台「M.バタフライ」(7月13~15日、梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ)の取材会に出席した。

フランス人外交官ルネ・ガリマール(内野)が国家機密情報漏えいの大罪で投獄されるに至るほど、愛に溺れた相手は、性別を偽った中国のスパイで京劇のスター女優ソン・リリン(岡本圭人)。実話をもとにした作品は世界30カ国以上で上演され、日本では32年ぶりの上演となる。

「役者としてかけることができる作品」と熱く語る内野は「自分の信じていたものがある日突然、そうではなかった。“真実”ではなかったら人間はどうなるのか。自分だったらどうするのか? そこに興味がある」と話した。事実をベースにしていることについて「実際にそういう人がいたということが、やる上で盛り上がるというか、掘り下げがいがある」と意気込んだ。

共演の岡本について「役と向き合う粘り強さ、気迫を持っている」と期待した。

役柄にからみ、これまで完全にだまされた経験について「まあ、どうかな。う~ん、初対面で苦手な監督さんかなと思っていたら、すばらしい監督だったというだまされかたはある。逆にいい人そうで、邪悪だったというのはあんまりないけど、多少はある」と笑わせ、「すいません、おもしろい芸がなくて」と愛嬌(あいきょう)たっぷりに照れた。