北野武監督(ビートたけし=75)が、イタリア・ウディネで開催中のウディネ・ファーイースト映画祭で29日(現地時間)にゴールデン・マルベリー賞(生涯功労賞)を受賞することを受け、現地入りする予定だったが急きょ、オンライン参加に変更した。

同監督は同映画祭事務局を通じてコメントを発表。「私は、直前までイタリアに行く準備をしていました。しかし、世界中で引き続き被害を及ぼしている新型コロナウイルス感染症や、ウクライナで今も続いている戦争、そして何より現在の私の体力がイタリアまでの長期移動に耐えられない状況であることから、苦渋の選択として、渡伊を断念せざるを得ないという結論に達しました」としている。

生涯功労賞を受賞する予定だった29日には、北野監督の93年「ソナチネ」の回顧上映や授賞セレモニーも予定していたが、同日午後7時半(現地時間)に、オンラインで会場と北野武監督を繋いでセレモニーを開催することが予定されている。

北野監督は、1997年(平9)に「HANA-BI」が世界3大映画祭の1つ、ベネチア映画祭で邦画としては40年ぶりに最高賞の金獅子賞を受賞。03年には「座頭市」で銀獅子賞(監督賞)を受賞。さらに07年の同映画祭では、ワールドプレミア上映された「監督・ばんざい!」にちなみ「監督・ばんざい! 賞」が新設され、第1回受賞者になるなど、イタリアとは縁が深い。

ゴールデン・マルベリー賞は、過去“日本SF映画のグランドマスター”として欧米で多大な人気を持つ大林宣彦監督が16年に受賞。音楽家・久石譲氏が15年に受賞した際は、メイン会場に集まった1200人の観客にスペシャルコンサートを行った。